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俺ガイル4巻 感想

久しぶりに読み返してみたのですが、じっくり読むと非常に面白いですね。3巻まではチュートリアルで4巻から比企谷ワールドに突入していきます。

最低にいる八幡だからこその方法で寄り添っていきます。

俺ガイル4巻の内容

夏休みを家で満喫していた八幡、小町に誘われて出かけるも平塚先生のトラップで奉仕部として小学校の林間学校のボランティアをするはめに。

小学生の林間学校のお手伝いをする中で一人集団からから孤立している鶴見留美に気づく。なんとかして彼女を集団の輪に入れようとする高校生たち。しかし、そう簡単にいくはずもない。

そこで八幡は関係を壊すことを提案した。林間学校のボランティアの帰り際、八幡を轢いた車が雪ノ下家のハイヤーだと気づく。

俺ガイル4巻感想

比企谷の考え方

親しい人こそ怖い

かけがえのない存在なんて怖いじゃないか。
だから俺は今、自分が築いている関係性とも呼べないような関係性がわりと好きだ。何かあればたやすく切れて、誰も傷つかない。30p

「みんながぼっちになれば争いも揉め事も起きないだろ」226p

一番怖いの身近な人間である。親しかった人間に裏切られるのが恐ろしい。なら、親しい関係性を作らなければそんな怖い思いをしないでもいい。だからぼっちが最高!!

もしかすると八幡がぼっちであり、他人と適度な距離を作っているのは子の考えなのではないでしょうか?

 

自分が変わること

4巻では集団で孤立している留美を中心に八幡の考えが明らかになっていきます。

「辛いっていうか……。ちょっと嫌だな。惨めっぽい。シカトされると自分が一番下なんだって感じる」
自分が変われば世界が変わるというが、そんなことはない。216p

自分がいくら変わろうとしても周り(世界)からの固定観念や印象は変わらない。下の人間がいくら頑張ろうともプラスには見られない。「なにはりきっちゃってるの、ださ」と元の固定観念ゆえに元の枠組みの中で見られる。

一人であることよりも周囲の悪意によって孤立しているのが嫌と語る留美。話しかければ罵倒でもなんらかの反応が返ってくる八幡とは違います。一人でいたいけど、周りに無視されることが嫌。

 

『俺は悪くない、世界が悪い』なんて言葉は言い訳じみているが、まるっきりの間違いじゃない。いつも自分が悪いなんてそんなことはないのだ。227p

留美ちゃんの問題を解決するのではなくて解消する方法を提案した八幡。みんなと仲良くするという解決ではなく、その関係そのものを壊すことで問題を無くす方法です。

八幡らしいです。4巻では世界と自分についての描写が多かったです。自分が変わっても周りの対応は変わらない。世界が自分に求めているキャラを演じるのも欺瞞でしかない。なら、世界を壊すしかない。だから関係を壊す方法をとったのです。

 

悪に染まる人間

悪ではないはずの自分が悪に染まるとき、人は理由を求めるのだ。132p

自分の利益が犯されそうなときは理由を探しそして自分を肯定するために仲間となる徒党を組む。いかにも自分は悪くないのだと言い逃れである。

赤信号みんなで渡れば怖くはないというように本当は正しくないことでも集団を作ることで安心感、言い訳を作っている。そういうのが比企谷のいう欺瞞にあたる。

4巻では夏目漱石のこころがかなり登場します。

そんな鋳型に入れたような悪人は、世の中にあるはずがありませんよ。平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです。夏目漱石『こころ』

 

本物とは

「……けどそうやって偽物だってわかってて、それでも手を差し伸べたいって思ったなら、そいつは本物なんだろ、きっと」265p

『きっと』とあるように、八幡自身も本物がなんなのかはわかっていません。俺ガイルを通して見つけていくのが彼の仕事でしょう。

 

その他

仲良くなるというのは感情の問題だが、上手くやること自体は技術の問題だ。78p

誰もが過去に囚われている。179p

だから俺は憎むのだ。”みんな”であることを強要する世界を。
過去と世界は変えることができない。起きてしまったことと”みんな”は変えることができない。けど、だからといって自分がそれに隷属しなくてはならないなんてことはない。
過去は捨てられるし、世界はぶち壊して台無しにはできるのだ。262p

星々の光が遥か過去のものと同じように、心の片隅に消し飛ばすことのできない過去が残っている。だから何かに頼りたくなる。

 

雪ノ下の負けず嫌い

これまでも雪ノ下の負けず嫌いなのは分かっていました。「負けるのが怖いんだ」とか煽っておくとまあ自然と勝負に乗ってくるほどです。

4巻でも八幡の包丁さばきに負けじと披露していました。

留美と同じ境遇

雪ノ下は留美にかつての自分と同じような境遇を感じている。

「あなたでは無理よ。そうだったでしょう」143p

そうだったという過去形から、葉山が以前にも孤立させられているだれかを助けようとしたときがあった。しかし、それができなかった。その誰かというのは雪ノ下自身でしょう。

葉山という男

3巻まではただのいい奴というイメージしかなかった。しかし、4巻からは変わっていきます。

169pの好きな人のイニシャルがY。考えられるのは雪ノ下姉妹と三浦由美子。

「比企谷君とは仲良くできなかったろうな」276p

ヒキタニ君から比企谷君として初めて葉山が認めた瞬間です。八幡のやり方と葉山のやり方は一生認め合うことができないでしょう。葉山は根本的な解決方法、八幡は一時的な解決方法それが解消になるのでしょう。

いじめられていた雪ノ下を昔葉山は助けることができなかった。八幡の方法ならもしかして解決できたのではないか。比企谷という男として認めるが、その方法は好きにはなれなかったのでしょう。

 

戸塚がかわいい

戸塚さんかわいすぎでしょ。あれは八幡惚れますよ。

お風呂の時は八幡の股間見てしまって恥ずかしそうにしているし、朝起こしにくるときなんてそこらへんのヒロインよりもかわいいです。

戸塚が実は女の子だったとしか思えません。

 

4巻では八幡の最低だからこその思考が語られていました。

俺ガイル5巻感想。それぞれのキャラの雪ノ下へのイメージ

最新巻13巻の感想→俺ガイル13巻 感想【ネタバレ有り】 雪ノ下の願いとは?

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