ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編1巻の感想です。11.5巻の感想はそのうち投稿する予定です。
11.5巻では鈴音が過去の自分から脱却しショートカットにしたり綾小路が茶柱先生を通して教師陣サイドにも手を回しておいたりと2年生時に向けて着実に準備を進めていました。
あとは次のテストで堀北と勝負の約束を結んだりや軽井沢恵との交際と、盛りだくさんの内容でした。
そして2年生編1巻は魅力的な新キャラも登場し綾小路の化け物っぷりが垣間見れてワクワクが止まらない話だった。
新キャラのなかでは特に宝泉が好み。あとは天沢一夏もよかった。あんな感じの後輩にならプライベートポイントでもなんでも貢いであげたいと思ってしまいました。
高度育成高校での2度目の春を迎えた綾小路達Dクラス。待ち受けるは試験だけではなく、個性的な新1年生達。中学時代龍園と悪名を二分した宝泉和臣、同じ中学出身を名乗り櫛田に接近する八神拓也、気分屋で綾小路を引っ張り回す天沢一夏。そして4月最初の特別試験は1、2年生がペアとなる筆記試験。ペアの合計点が基準を下回れば2年生のみ退学となる。
さらに南雲が各生徒の能力を表示する新アプリを実装。それが全生徒に公開されたため学力の高い生徒に人気が集中。2年Dクラスは苦境に陥る。またペアを組む必要上、綾小路もホワイトルーム出身の1年生を見抜けなければ即退学の状況となり――!?
目次
2年生最初の特別試験
2年生最初の特別試験は2年生と1年生がパートナーを組み、筆記試験を受ける。自クラスの点数とパートナー全員の点数から算出される平均点の高さでクラスでの勝敗を決める。
1位50ポイント、2位30ポイント、3位10ポイント、4位0ポイントのクラスポイントが支払われる。
また個人ごとにも上位のペアにはプライベートポイントが支払われる。上位5組には10万プライベートポイント、上位3割のペアには1万プライベートポイント支給。
ただ合計点が501点未満のペアには罰則がある。2年生は退学、1年生は3か月のプライベートポイントが支払われない。
まさに月城が綾小路を退学させようと行われた特別試験。仮に綾小路が500点満点とったとしてもペアの1年生が0点であれば501点未満で綾小路は退学となる。
綾小路は入学した1年生160人の中からホワイトルームからの刺客と組まないように気を付けなければならない。更に1年生の情報は真っ白なので慎重にペア相手を探す必要がある。
新システムOAAの導入
特別試験と同時に導入されたシステムOAA。
現生徒会長である南雲が提案したものを学校側が容認して導入された「Over all ability」。
学校側が昨年度の成績をもとにして各生徒ごとにランク付けしてある。評価項目は次の5つ。
- 学力
- 身体能力
- 機転思考力
- 社会貢献性
- 総合力
総合力は上4つの部分の平均値から算出されるが、社会貢献性は継続的な努力でしか身につかないほかの3つと比べ、意識次第ですぐに変えられるため重み付けは小さめになっている。
1年生全員にまで手を差し伸べる一之瀬
1年生と2年生の交流会を設けた一之瀬。彼女は学力の低い1年生やコミュニケーション能力に自信がなくペアが組めるか不安な生徒とパートナーを積極的に組むようにした。
これまでの一之瀬らしい行動だがこの学校では理想的なものとは言えない。学力の低い1年生とパートナーとなったために今回の特別試験では最下位の4位。
11巻の特別試験で退学者を救うために2000万プライベートポイントを支払いポイント不足に陥っていたために、当然AクラスやCクラスのマネーのように生徒を買うことはできなかった。
今回一之瀬は特別試験の順位より信頼関係に重きをおいたがこれが今後どうなるかは彼女次第だろう。
クラス間競争が行われる学校で一之瀬に変わるリーダーが出てこないとこのままではDクラスに落ちていくのも時間の問題に思えてしまう。
坂柳のAクラスと龍園率いるCクラス
坂柳のAクラスと龍園のCクラスはプライベートポイントで高い学力を持つ1年生を買う戦略にでた。龍園はAクラスがポイントで買おうとした1年生たちに、さらに高いポイントを支払うと約束することでAクラスに無駄にポイントを浪費させようとしていた。
はなから高額でパートナーを組んでくれるような金で裏切る1年生は捨てて信頼できる1年生と契約を結んでいた。
今回の特別試験は1位でも50クラスポイントでリターンはそれほど、どちらかというと今後に向けて1年生との関係を作る試験のように感じた。
宝泉率いるDクラス
宝泉の計画というか、ごく一部の1年生のみに与えられた特別試験には驚かされた。
「2年Dクラスの綾小路清隆。この人物を退学させた生徒には2000万プライベートポイントが支払われる。そんな特別試験が、」313p
メタ的な話になるが、入学したばかりの1年生が客観的に見てごく普通の綾小路に接触してくるわけがない。接触してくるのはホワイトルーム生かホワイトルーム生に操られている生徒くらいになるだろう。物語の展開上にも必要な特別試験だったのでしょう。
「そんな理不尽で愚かな特別試験を、いったいどこの誰が決めたというの?」
その問いかけに七瀬は口をつぐんだ。313P
「……ひとまず、伝えるべきことはお伝えしました。
堀北の質問に対して七瀬は黙秘した。茶柱先生も聞かされていないだろうと綾小路も言っていたので学校側が決めた可能性はほぼないでしょう。
学校側のごく一部・月城が決めたかあるいは生徒の誰かのしわざなのでしょう。冒頭で月城は勝つための算段をしっかりと用意していると書かれていたので(14p)その一つかもしれません。
ただ自分たちの動きがばれないように密かに綾小路を退学させようとしていた点を考えると綾小路退学の特別試験を月城が行うのも納得できないところがあります。
この特別試験につられたのが宝泉。
宝泉は最初からこの2000万プライベートポイントが目当てだった。Dクラスの生徒にもパートナーを組むなら50万プライベートポイント以上つぎ込まれたらと命令していたのでちょうど40人で2000万回収できる。
2年Dクラスと協力するような素振りを見せつつもふざけた条件を提示し最終的には喧嘩に持ち込み、ナイフで自傷。綾小路がやったことにしようとしたものの、綾小路が自分から刺さりにいくという。
ここの綾小路は挿絵も相まって最高にかっこよかった!!
なによりあたふたする堀北も案外かわいかった笑。
目立たないように命令されたホワイトルーム生と違い宝泉は目立つような行動をしていた。宝泉が0点をとったとしても綾小路を刺したという事実がある限りそう簡単には退学にできない保険を兼ねて綾小路は宝泉をパートナーに選んだ。
1年Dクラスとも協力関係を結べたのも今後の特別試験においてかなりのメリットになったのではないか。
満点を取ってしまう綾小路
そして筆記試験の結果発表。堀北が綾小路に指定した教科は数学。特に意味はないでしょう。
クラス内の結果は堀北が87点、啓誠が84点、綾小路は満点の100点。綾小路の圧勝。大学の数学問題ですらいとも簡単に解いてしまう綾小路の規格外っぷり。
宝泉との勝負、そして今回の筆記試験と少しずつ実力を出していく綾小路が!クラス内の反応も気になるところ。特に綾小路グループの面々がどう反応するのか?
予定外のトラブル
月城理事に呼ばれた綾小路。結局綾小路は4月のうちにホワイトルーム生が誰だかは突き止められなかった。
「月城理事長代行の思惑とは裏腹に、ホワイトルームの人間が指示に従わなかった。そう考えると今回の一連の流れはしっくりくるんですが」324p
今回積極的に綾小路とパートナーになろうとした生徒は1人もおらず、ホワイトルーム生が月城の命令を無視した可能性を指摘する綾小路。これにあっさりと月城は認め、月城より上おそらく綾小路父が他に何か企んでいる、もしくはホワイトルーム生が退学以上のことを考えているから気をつけておけと忠告する。
ホワイトルーム生は常に「綾小路を超える存在になれ」と叩き込まれてきた。故に憎悪の感情も計り知れない。ただ退学させる、それ以上のことをも考えていそうです。
刺客が月城の命令に従わなかった理由はわからなかった。
月城が懸念している綾小路父が何かを企んでいる、はたまたホワイトルーム生が命令に背き綾小路の命を狙っている可能性が考えられる。
新キャラ1年生たち
公式サイトで公開された1年生6人が登場してきた。この中にホワイトルーム生からの刺客が少なくとも1人はいる。綾小路も今の段階では探し切れていないっぽい。でも綾小路はもう気づいているかもしれない。
僕的には椿桜子と宇都宮陸が怪しい気がします。とは言え現段階では情報が少なく全員が怪しい笑
八神拓也
宝泉と七瀬がDクラスに現れた時に偶然なのかその場で観察していた男。登場してきた1年生のなかで唯一綾小路と接触していない点で言えば一番ホワイトルーム生っぽい。
中学時代の過去を持っており、中学時代に出会った生徒がいない宝泉と比べ櫛田は中学時代の八神を知っていた。
ただ気がかりなのが櫛田の行動。
自分の過去を知っているかもしれない恐れがある時点でなんらかの行動を
また「存在を認識しながらも(97P)」という描写も知らないふりをしているように思える。
出会う前にあらかじめ2人はコンタクトを取っていたかもしれない。八神が櫛田の過去で脅し綾小路を退学させようと関係をもっ
何にせよ櫛田と関係をもった点から今後活躍がかなり期待できそうな生
天沢一夏
堀北須藤、綾小路の3人で1年生の生徒を探しているときに声をか
強い人と組みたいから喧嘩で1番を決めてと言うものの次は料理も
堀北が綾小路にワイヤレスイヤホンでレシピを指示することで一夏の試験は
しかし試験の材料を買いに行く際ペティナイフを購入させる。
須藤とパートナーを組んだ、
軽井沢と3人でご飯を食べるとか言っていたので出番が多そうで楽
七瀬翼
個人主義の宝泉とは違いDクラスで協力していく姿勢を感じさせる1
私は綾小路先輩が邪悪で薄汚い人なのではないか、
そう思っています。224P ボクには綾小路先輩がこの学校に相応しい人だとは思えなかったか
らです。
ここで初めて七瀬は、憎悪のような感情をオレに対して向けてきた314P
初めて会った綾小路に邪悪で薄汚い人という印象をもつのは考えられない。どこにでもいる平凡な生徒と思うのが普通。いかにも綾小路の本性を知っているような口ぶり。ただ綾小路を知っているホワイトルーム生なら綾小路の本性を探してくるがこうも率直に聞くようなことはしないはず。
ホワイトルーム生ではないが綾小路または綾小路の父に恨みを持っているのか月城に綾小路について酷い印象を植え付けられたかもしれない。そうなると執事であった松雄の関係者とか。
最後の綾小路がこの学校にふさわしくないのはどの立場から言っているのか。あとは一人称がボクなのも何かありそう。松雄の子供は息子だが綾小路父がボク呼びのせいで息子と勘違いしていた線も無いとは言い切れない。
いかにもホワイトルーム生らしい描写が多かったが逆に言えばホワイトルーム生らしからぬ行動。
謎が多き1年生といった印象。
椿桜子 宇都宮陸
週末ケヤキモールの帰りに偶然声をかけてきたCクラスの2人。宇都宮はパートナーが決まっており椿の方はまだパートナーが決まていなかった。彼女の学力はC-で綾小路の学力Cと丁度いい。
気になった点が3つほど。
- 綾小路がケヤキモールに出かけた理由
- 「改めて覚えておかないと」
- 宇都宮の連絡先
綾小路は可能性を広げるためにケヤキモールに出かけたが(243P)綾小路がしたことは坂柳からの嫉妬と椿と宇都宮に会ったくらい。パートナーになってくれそうな1年生に声をかけるために出かけたはずなのに特にだれにも声をかけた描写がなかった。
描写がなかっただけで声をかけようとしたがめぼしい人がいなかった可能性ももちろんある。
ホワイトルーム生から接触の可能性を広げるためにケヤキモールに出かけた風に捉えることができる。
そして椿と宇都宮との別れ際に「改めて覚えておかないと」と綾小路は言った。「改めて」というのがひっかかる。OAAで1年生全員を覚えているから改めてとつけたかもしれないが何だか納得できない。
そして宇都宮はあらかじめ用意していた連絡先を綾小路に渡した(253P)。パートナーがいないのは椿なので椿が連絡先を交換するのが普通のはず。宇都宮が交換したのも気掛かりでありあらかじめ連絡先を用意していたのも準備万端すぎる。
まるで綾小路と連絡先を交換したいように思えてしまう。
あとは6人の中で唯一パートナーを組もうとしてきたこと。他の1年(八神は除く)は2000万プライベートポイントにつられて綾小路に接触してきた可能性がある。パートナーになって綾小路を退学させても2000万プライベートポイントはもらえない。自分も退学してしまうから。
ホワイトルーム生しかパートナーを組んで綾小路を退学できない。逆に言えばホワイトルーム生以外が綾小路とパートナーになるメリットは全くない。
椿が2000万目当てでパートナーになった線はほぼほぼ無いといえる。(※長期的に考えて今後退学させようとパートナーになり繋がりを作っておいた線もないとは言い切れない)
「恐らくはクラスのまとめ役が存在し、(242p)」と書かれている通り、1年Cクラスにはリーダー役が存在しているのにそのまとめ役に相談せず2人でパートナーを探しているのもおかしい。
やはりこの2人がかなり怪しいと思えてしまう。
感想まとめ
裏でこそこそ活躍するだけだった綾小路がやっと片鱗を見せ始めてきた話で、読者的にも非常に盛り上がった1巻だった。
足が速い、堀北元生徒会長に気にいられている、何故かプロテクトポイントを得た、1年最終試験で司令塔を務めた、そしてあの堀北ですら87点しかとれなかったテストで満点、いくら池のような勘が鋭くない生徒でもただものではないと気づくでしょう笑
クラスの反応が見ものです。
あとは11.5巻で綾小路が本気を出していないと感づいていた松下の反応も楽しみ。これでAクラスもねらえると思っているのか、想像以上の能力で度肝を抜かれているのでしょうか。
軽井沢とのイチャイチャシーンもあったが、11.5巻の最後であんな綾小路を見てしまった手前、軽井沢が可哀想に思えてしまった。普通のラノベであればキュンキュンするところだが、愛がない綾小路が上手いこと彼女を転がしていて不憫でしかなかった。
とは言え定番だか一夏の髪を発見し嫉妬する軽井沢は良かった。
綾小路の本気が見れ、新キャラの1年生もどれも何かありそうで今後が楽しくなりそうだった。
