ようこそ実力至上主義の教室へ9巻を読みました。感想です。
9巻の感想を一言で表すなら
一之瀬すこ
よう実は学園頭脳バトルですがやはりこういった甘い話があるのはいいですよね。何より主人公の綾小路が鈍感じゃないのが読んでいてイライラしません。
これまでのよう実の感想は大体硬く書いていたのですが今回の9巻の感想はある程度ふざけて書く予定です。結局普通に書きました。
前巻8巻の感想>>>【よう実8巻】感想・ネタバレあり 全学年合同混合合宿!
よう実9巻のあらすじ
綾小路への宣言通り、ついに坂柳有栖による一之瀬帆波潰しが始まった。暴力沙汰、援助交際、窃盗、強盗、薬物使用の過去があるといった一之瀬への誹謗中傷が学校中に広まっていく。噂の出所は間違いなく1年Aクラス。Bクラスの神崎らが止めにかかるが証拠がない。さらに一之瀬の動きも消極的。膠着した状況の中、ある人物が綾小路の前に現れる。「坂柳を止めてよ。あんたならそれが出来るんじゃないの」1年Aクラスの神室の要請に対し綾小路が下した決断は?そして櫛田桔梗が生徒会長の南雲雅に接触し、学校内に不穏な空気が流れ始め―。大人気クリエイターコンビが贈る、新たな学園黙示録第9弾!
感想・ネタバレあり
9巻は特別試験なし。メインは一之瀬帆波の噂です。
8巻の混合合宿と違って綾小路が裏で策をめぐらし、Aクラスを撃退します。
一之瀬の過去
9巻で重要なキーとなるのが一之瀬の過去「過ち」。
一之瀬が犯したのは万引き。貧しい母子家庭。中3のとき、妹の誕生日プレゼントのためにヘアクリップを盗んでしまった。
その後、母と謝りにいき警察に通報はされなかった。罪に問われずに終わった。しかし一之瀬はそれ以降ふさぎ込み学校を長い間休んだ。
あれほど聖人の一之瀬が殺人やいじめなんてことはしないはず。納得のできる過ちでした。
南雲にばれてしまう
一之瀬の本当の過ちは南雲に秘密を話してしまったことでは?南雲の行動や性格、考えを読んで知っている読者だから言えるかもしれません。
これが一之瀬の作戦の可能性もわずかにあるのでは?と思えます。今回の事件の噂の発端はAクラスの坂柳。それは大体の生徒が知っている。そもそも宣戦布告をしている。
では坂柳はどこでその情報を手に入れたか?
一之瀬が秘密を話したのは南雲だけ。あとで綾小路に話しますが時系列的に排除。坂柳が南雲とつながっていると一之瀬は気づくでしょう。
もちろん南雲とつながっている確証はありません。少なからず可能性として考えられます。
一之瀬を綾小路が助けた理由
Bクラスと同盟を組んでいますが綾小路が助けることでもない。安易に近づいて橋本や南雲に気づかれるデメリットのほうが多い気がします。
でも助けた。一之瀬に利用価値があった。メリットの方が大きかったから。
実際一之瀬はかなり重要な立ち位置です。彼女を手に入れるかどうかが今後に大きく関わってきます。
もし坂柳通りのシナリオならば一之瀬が前と同じくふさぎ込む。そして南雲雅が助ける。南雲に支配されたはず。支配まではいかないもある程度の好意・尊敬を抱くはず。
逆にこっちの手札に加われば南雲・生徒会への諜報員として活躍してくれる。
綾小路にとって新たな駒が手に入ります。しかも一之瀬は優秀。堀北よりもです。
何より、綾小路に落ちてしまった……
見事な綾小路の策略
今回の綾小路のトリックは良かった。いつもいいけど今回はかなり凝っていた。
一之瀬が犯罪者という噂が流れ、一之瀬は精神的に弱り風邪で学校を休んでしまいます。
一之瀬を助けるために綾小路は2つの行動をした。
- 噂をさらに流す
- 一之瀬の心を強固にする
一之瀬の噂だけでは学校は動いてくれない。そもそも一之瀬が学校に報告しないから。
学校が噂を見逃せないような状況を作りたかった。だから噂をさらに流した。
櫛田に接触
噂となるある程度が知っている秘密を手に入れるために櫛田に接触。今後、綾小路のプライベートポイントを半分あげる代わりに教えてくれと頼む。
さすがに厳しい条件と思うもそこには2つの裏があった。
- 櫛田は綾小路を退学できない
- すぐに櫛田を退学させるから
1の方は櫛田も把握しています。2は気づくはずもない。今後プライベートポイントを半分もらえるので綾小路を残しておく方が良いと考えるはず。
そもそも綾小路が櫛田の過去、本性を言ったところでどうせ信じる人はいないでしょう。
どのように櫛田を退学させる予定なのか非常に気になります。ただ、櫛田も前回のペーパーシャッフルのときカンニング疑惑を仕組まれたのを知っているので用心するはず。そして堀北を操るのが綾小路だと確信した。南雲に報告する可能性もあります。
綾小路はそれも考えたうえでの契約なのでしょう。
堀北は情で櫛田と仲良くしようとするが綾小路は退学にさせないことでのメリットを提示することで表面上では仲良くしようとします。そこが堀北と綾小路の差なのでしょう。
神室から知った一之瀬の秘密
綾小路は神室から一之瀬の秘密を知ります。神室は坂柳の手下。神室は坂柳の指示とは関係なく綾小路に話したといいます。
坂柳は自分が万引きをしたことを知っている。だから言いなりになっているだけ。
ビールをコンビニから万引きして証拠も見せます。
はい、私はまんまと騙されていました。ビールをその日に盗んだのではなく冷蔵庫に冷やしていたのを持ってきたとは知りませんでした。
賞味期限で気づく綾小路くんさすが。
ここの部分、おかしな点があります。読んでいる時にはなんとも思わなかったのですが、感想を書いてある一つのことに気づきました。
ビールを持ってきたところで神室が坂柳の指示とは関係ないことの証拠にはなりえません。神室が万引きをしていたことに確信をもてるだけです。
ミスリードなのか分かりませんが、勘違いしていました。してやられました。
綾小路のすばらしい策略はこれくらいで。
照れる軽井沢
7巻以降、メインヒロインのポジションを奪い取った軽井沢。
今回もかわいいシーンが多かった。
シリアス・推理という緊迫したシーンから落差があるラブコメ要素。
綾小路にバレンタインチョコを渡す軽井沢がとにかくかわいい。142Pの挿絵の照れる軽井沢もいい。
その前の「べっつに。どうしても今日あたしに会いたかったんじゃないかと思ってさ」というツンデレもたまらない。
あとは綾小路が軽井沢が好きだという噂を知ったときの軽井沢の慌てふためく姿も。
バレンタインの日に会う約束したのも綾小路が軽井沢が好きという噂を流したのも綾小路自身。軽井沢の気持ちを知っておきながらそこまで仕組むのはかなりの策士です。
そもそも綾小路が流した噂が本当のことならば綾小路は軽井沢が好きということになるのでは?いつしか付き合いそうな二人だと今のところ思っています。お似合いのカップル。
綾小路に攻略された一之瀬
一之瀬が綾小路に攻略されるとは思いもしてなかった。
船上での優待者当てのときから綾小路のことを高く買っていた一之瀬。好意を抱くのはないだろうと思っていたが、コロッと落ちちゃいましたね。
佐藤や軽井沢曰く、イケメン、クール、賢いとかなり高評価。あとは足が速い。
あとは大きな武器も隠し持っています。
今回は一之瀬の犯した罪を聞く役割でもあった。最初に打ち明けたのが綾小路だったのも一つの要因になるのでしょう。
最後に恥ずかしながらもバレンタインチョコを渡す一之瀬すこ。どこかの由比ヶ浜さんたちとは違いますね。これくらい素直に渡してくれればいいのにと、ふと思ってしまいました。
誰にでも優しいところ、主人公が好きなところ、声優が同じなところ、学力はあれだけど賢い点とっても一之瀬と由比ヶ浜はどうしても似ていると思ってしまいますね。
学生証の違い
ビールを万引きした証拠を見せるために神室は学生証を綾小路に渡した。
あとはAクラスとDクラスの喧嘩のときに伊吹が落とした学生証を綾小路は拾った。
そしてある一点を見て何かに気づいた綾小路。何に気づいたのか?とてもきになるところ。堀北兄も知らなかったこと。そして堀北兄はミス、役に立つとも言っていた。
考えても答えは見つからなさそうです。
まとめ
綾小路の活躍、恋愛要素どちらの点からもかなり満足な話でした。
次回は約束した坂柳との対決。どのような試験になるのかも楽しみなところ。と思いきや10巻のあらすじを読んだところ、対決はお預けっぽいです。
そろそろ綾小路たち1年も2年に進級。堀北兄という強い味方がいなくなります。
新入生たちも入ってくる。新入生を話に入れてくるのでしょうか?南雲との決着がまだついていないのでまずはそっちを片付けて欲しい。その前に坂柳もありましたね。