少し読んだものの積読していた『虐殺スペック赤三月さんと低スペック九木野瀬くん plan.1』をようやく読みました。
学園・青春ラブコメ系としてはありきたりな話だった。けれども、不思議と楽しく読めたラノベ。不思議な力を感じた。シリーズものなら分かるが、1巻から楽しく世界に入り込んで読めた数少ない作品。
テーマがありきたりな学園・青春ラブコメ系。そして登場人物も少なかったからかもしれない。
おすすめ度は星4.5!!
ラブコメ系が好きなら手にとって読んでみるのをおすすめしたいです。2巻も購入したのでまた感想を書きます。
世の中、才能で人生決まる。低スペックな俺は周囲の心を殺すほどの圧倒的な才能をこう呼んでいる―『虐殺スぺック』。ひょんなことから『万能』の虐殺スペックを持つ美少女・赤三月朝火の自殺を阻止した俺は「なんでも出来て退屈したから」とのたまう彼女に、せめてもの抵抗として反論した。「なあ―出来ることじゃなくて、お前にしか出来ないことを見つけろよ」翌朝、朝火から『人生の攻略本作り』を手伝えと脅迫された俺は、条件と引き替えに制作を始めるが、朝火の攻略法は斜め上をいくものばかりで…!?低スペックが制作する人生攻略本、特典として万能美少女付き!
キャラクター
主な登場人物は3人。ラノベとしては少なめだが僕個人としてはこれくらいがちょうどいい。作者のあとがきに推理小説の登場人物を覚えるのが苦手と書かれているように、僕も多いとどうしてもキャラを思い浮かべずらい。会話もキャラが多いと喋っているのが誰なのか区別しにくい。
その点3人はベスト。会話もすらすらと入ってくる。
キャラ数についてはこれくらいで各キャラについての感想を深めていきます。まずは主人公の九木野瀬くん。
九木野瀬伊吹
主人公。
元は音楽科でピアノを弾いていた。ただ、何らかの事件・出来事により普通科に転入してきた。
努力家だが低スペックゆえに平凡どまり。
とは言え、ラノベの主人公はなんやかんや秀でています。九木野瀬も勉強が意外とできる。300人中3位というかなりの秀才。音楽家でも主席だったとか。
そういえば、俺ガイルの八幡も国語3位とかだったような。。。
あとは1巻では明確にされませんでしたが、かなりのピアノの腕前の持ち主なのではと。自分で作曲しているほどなのである程度弾けるのは確実でしょう。
どうして音楽家をやめて普通科に転入してきたのかピアノを辞めた、あるいは諦めたのか?その辺が2巻では扱われるのでしょうか?
赤三月朝火
ハイスペックを通り越した虐殺スペックの持ち主。
何というか、言ってもいいのでしょうか?弱キャラ友崎くんの日南に似ていますね。
ただ、僕としてはこっちの赤三月さんの方が好きですね。こんなこと言ったら日南さんに校舎裏でボコボコにされそうですが。。。
幼少期の頃からどんな分野のことでも圧倒的な才能で完璧にこなす。高校生になった今も他人を虐殺するほどのスペック。容姿、成績、スポーツ、あらゆる分野でトップの最強いや最凶のヒロインです。
もちろん裏の顔はありますが、なんだか嫌いになれない性格です。九木野瀬との会話が生き生きしていて読んでいて楽しいです。読まされている感がなく自然と笑えるやりとり。好きです。
彼女もまた何かしらの嘘をついています。
黒花夜
普通科一年。
九木野瀬と赤三月の一つ下の後輩にあたります。名前から黒髪ロングをイメージしてしまいがち。だが、ツインテールで百合。
彼女は普通科なのに半端なく絵が上手い。美術科の生徒よりもとんでもなく上。だからいじめられる。
小さい頃からいじめられっ子で昔のエピソードを聞くだけで辛い。ほんとだれか助けてあげて!
どのキャラも悩みを抱えています。ある程度現実味を帯びていながら、やはりラノベなのでちょっと大げさ。さじ加減が絶妙です。
読んでいて共感できるところも多々あります。生き生きとしていながらも息苦しい現実世界を上手く描いている。
ストーリー
内容としては弱キャラ友崎くんに似ています。
なんでもできる虐殺スペックをもつ赤三月と低スペックの九木野瀬が協力して人生の攻略本を作るお話。
友崎くんとは違うのがどんなスペックの人でも実践できるようにすること。1巻は主に勉強、そして人間関係の攻略でした。
低スペック、そして上級者の攻略法がそれぞれ提示された。そしてちゃんと実践し成長していく。お話としてかなりまとまっていました。何よりシンプルな展開・目的がはっきりしていて読みやすかった。
赤三月さんがすこ
ラノベってストーリーも大事ですがキャラが立っているか、好きになれるかで評価は変わると思います。俺ガイルだって八幡が好きな人が多いはず。
僕はかなり好感がもてるキャラたちだった。
キャラの弱さをわざと読者に見つけさせることで親しみをもたせる。まんまと共感してしまいました。
そしてやはり赤三月さんが好きすぎる。日南さんはなんだか中身がない、空っぽ。赤三月さんは人間味あふれている。九木野瀬とのやり取りがほんとおもしろかった。
最初は主人公に強くあたっていた。なんなら脅していたが、少しずつ打ち明けるように。おかし食べて、昼寝して、ダラダラとするときもあって一瞬で好きになってしまった。
まとめ
俺ガイルや弱キャラ友崎くんに似た作品だったが、個人的に1巻だけにおいてはこちらの『虐殺スペック赤三月さんと低スペック九木野瀬くん』の方が好みだった。
俺ガイルみたいなめんどくささがなく弱キャラ友崎くんみたいなきれいなラノベではなく、
ラノベの長所を残しつつ現実の学生の悩みを上手く表現していた作品だった。そしてキャラもかなり好き。1巻からつかみやすい作品だった。
2巻もちょうど4月25日(この記事を書いた前日)に発売されている。さっそく2巻を購入したので、続きが楽しみである。