ムーミン事件の経緯
ムーミン事件は私の中でそう読んでいるだけです。
Twitterのトレンドでなぜかしら、ムーミンがランクイン。気になり、調べてみると、今年のセンター試験の地理Bでムーミンに関する問題が出ました。それがこの問題。
ノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーションと、ノルウェー語とフィンランド語についての正しい組み合わせを求める問題です。
私もムーミンの舞台の国なんか知るかって感じでした。きっと受験生もそんな気持ちでしたでしょう。
センター試験はたまに、堅苦しい問題ではなく、遊びに近いような問題もたまにでます。そういうところは好きです。
ここで終わればよかったですが、そこから色々発展していきました。
「ムーミン」出題、ネットで反響=公式サイトもコメント―センター試験
公式サイトの方に、色々な苦情がありました。お陰で、「1問ダメだわ」「間違えたじゃねーか!」といったコメントが...。
2点か3点問題でしょう。たかが、2,3点と思うかもしれませんがこの2,3点が合否に関わります。ムーミンのせいで、と思いたくなるかもしれません。受験生ではない私にはわからない気持ちがあるでしょう。
苦情のコメントは、本気で送った人もいるでしょうが、便乗して遊び感覚で送った人もいるかもしれません。
これに対して、「まだまだ知られてないんだな、と反省、もっと知ってもらえるようがんばります!」「これを機にムーミンの世界を知ってもらえるとうれしいな」と公式サイトが発信。
以上がセンター試験のムーミン問題です。色んな意味で難問になってしまいました。
この問題から見えたこと
これまでの経緯を聞くと、ムーミンの認知度がさらに上がったのがムーミンにとっては一番のメリットではないでしょうか。ムーミンの公式サイトは一切悪いことはしていません。被害者でもあります。
そんな公式サイトが否定的なコメントではなく、ユーモアに溢れたコメントをしたのが私の中では印象強いです。
あとは、SNSの情報力の強さです。ムーミンが出題されただけで、SNS上で広まりニュースになるくらいの拡散力には驚かされます。
ではムーミンの出題は何がいけなかったのか?
私は、この問題は悪問と思います。
暗記のみで対策をしていた受験生にとっては難しい問題だったかと思います。しかし、「バイキング」や挿絵にある「トナカイ」また各国の立地による言語の近さなど、教科書や一般常識レベル知識を利用して、問題中の情報をヒントに思考することで最適解は導き出せたのではないかと思います。
地理分野はひねった問題を作りにくい教科であると言われていますが、2020年の改革に向けて知識だけでなく思考力を問われる出題も増えてくるのではないかと考えられます。
もちろん今回のように基本的な設定など事実関係に誤りがあれば、センター試験に相応しい良問とはいえませんが、出題者の意図をくみ取って考えることも必要かもしれません。 矢萩邦彦さんのコメント
ネット上ではこのような意見が見られます。
バイキング=ノルウェーだから消去法でムーミン=フィンランドは導き出せる。言語はノルウェーとスウェーデンが似た言語だから答えは分かる。フィンランド語はウラル語族なので、二つのゲルマン語とは違う。また、背景の森林樹林からも分かる。
私も高校生のとき地理Bを選択していました。この問題が出た時、私も上の解き方で導き出したかもしれません。ただの暗記だけではなく、知識を組みあわせて解くという力が問われています。
というか、本来の地理の問題で良問だと思います。
でも私が悪問とする理由は、平等性のなさです。
どういうことかというと、センター試験の問題は知っているか知っていないかですぐに解ける問題があります。たまたま、試験の前に見ていたところがでて、覚えていたからそのまま答えを出した。というケースは結構あります。
数学でも、世の中の定理から、この値は絶対これと決まっています。黄金比を求めなさいといった問題でも、暗記していればすぐに答えにたどり付けます。
これはあってもしょうがないです。その分野に関しての知識なので、とやかく言えません。この範囲から出ますといっているので、暗記するのも当然です。
ですが、ムーミンの問題は違います。ムーミンがフィンランドとは地理の教科書にきっと出てきていません。(高校生の記憶を呼び起こしても、ないです。)地理とは関係ない知識があるだけで、問題が楽に解ける、その平等さがないのがいけないのではないでしょうか。
今後はセンター試験の方式が変わるそうです。どんな問題がきても、対応できるような適応力をすけるのが必要かもしれません。
それをひしひしと大学で感じながら生きています。