やはり俺の青春ラブコメはまちがっている6巻を読んでみた感想です。
6巻は私の中でもかなり好きな話です。雪ノ下さんがメインの回です。スローガン決めのときの比企谷は特に最高でした。そして雪ノ下さんが少しずつ八幡に惹かれる、頼っていくシーンが描かれています。
俺ガイル6巻の内容
交通事故のときリムジンに雪ノ下が乗っていたがそれを雪ノ下は黙っていた、八幡のことを知っていたのにも関わらず知らないと言った。その事実を知った八幡と由比ヶ浜、奉仕部の関係は居心地の悪いものになっていた。
八幡は平塚先生の策略により文化祭実行委員になった。意外にも雪ノ下も実行委員だった。
奉仕部の活動をいったん止めにしようとしたとき、文化祭実行委員長の相模がやってきて手伝いをしてほしいという依頼が。それに雪ノ下は一人でやると返事をした。
雪ノ下は仕事を抱え込み風邪を引いてしまう。八幡の活躍により無事文化祭を終えることができた。
そして八幡と雪ノ下は正しい答えを見つけ出すのであった。
俺ガイル6巻の感想
5巻で交通事故の時リムジンに雪ノ下が乗っており、比企谷を奉仕部に入部する以前から知っていたことが明らかになりました。
夏休み明けの奉仕部は以前とは違って居心地の悪い雰囲気が漂っていました。なんとか由比ヶ浜さんが取り繕うとしますが、無駄に終わります。
比企谷がいない間に平塚先生の手により文化祭実行委員に任命されます。そして雪ノ下も文化祭実行委員になりました。
雪ノ下が文化祭実行委員になったわけ
これまでの雪ノ下の行動からしたら、文化祭実行委員になるとは思わないでしょう。人の前に立つより人の上に立ちたい雪ノ下さんです。かつてのいじめを受けていたことから目立たないようにしてきた雪ノ下。
これについて陽乃さんが説明していました。
- 奉仕部に居づらいから
- 陽乃さんが委員長をしていたから
加害車に雪ノ下が乗っていたからではなくて、いつも正しくまっすぐでいる雪ノ下が黙っていたことが八幡は許せないのです。雪ノ下でなければ許せたかもしれません。あまり、言いたくないことであるからです。ただ、雪ノ下という完璧な超人だから思うことがあるのです。
姉の陽乃さんに縛られていた
小さい時からなんでもこなす陽乃さんと昔から比較されてきた雪ノ下。雪ノ下も十分すごい超人ですが、あの性格ですからねえ。
「……ならなくていいだろ。そのままで」286p
陽乃さんを高く評価しああなりたいとあこがれを抱いている雪ノ下に対して八幡が言った言葉です。
そして相模さんを探すための時間稼ぎとして雪ノ下雪乃として陽乃にお願いをするシーンがありました。雪ノ下雪乃らしい頼み方で陽乃さんに頼みます。これに対して八幡も雪ノ下雪乃ってやつはこういう人間なんだ。と納得しています。
相模と雪ノ下の対比
今回の裏の主人公は何といっても相模さんです。
相模さんがいかにも悪いふうに書かれていますが、誰しもがあんな一面を持っているのでしょう。
一人で依頼を受ける雪ノ下
奉仕部としての活動を一旦止めるといったのにもかかわらず個人として依頼を受けた雪ノ下。相模の依頼は自分自身の成長ではなく、地位のためでした。
クラスで三浦にトップカーストを奪われたので、文化祭実行委員長としての肩書を欲しています。しかも自分の弱さを肯定できず虚勢を張ろうとするために奉仕部の外部の力を利用するクズです。
雪ノ下がなぜ相模の依頼を受けたのはなぞです。この時の奉仕部の状況を考えれば雪ノ下と八幡、由比ヶ浜の二人に線引きがありました。だから一人で引き受けたのでしょうか。
いつもらしからぬ雪ノ下
雪ノ下は相模の代わりをしているだけにすぎませんでした。これでは相模がまったく成長しません。相模の仕事を自分がこなしてそして自分の優秀な能力で文化祭準備を回す。
自立を促す・方法を教える雪ノ下のはずがその場しのぎの結果だけを求めています。あきらかにいつもの雪ノ下ではありません。
そして、無理をしすぎたために風邪で学校を休みします。
文化祭実行委員のことも相模の件も八幡が解決します。しかし、それは自分自身を傷つけることにつながります。誰も傷つかない世界のなかに八幡自身が含まれていません。
「…………なら、もう一度問い直すしかないわね」213p
悪印象を持たれて言い訳をするのは無意味。間違えてしまった答えは変わらない。もう一度答えを導き出すしかない。今の八幡と雪ノ下にぴったりの言葉です。
「……噓ではないわ。だって、あなたのことなんて知らなかったもの」351p
この一言のために6巻があったといっても過言ではないです。比企谷とかいう男の名前は知っていたけどあなたがどういう人なんか知らなかった、でも今はあなたがどういう人なのか知っているよ。
学校1の嫌われ者のあなたのことを理解する人がいるのよという意味に捉えることができます。言い訳も謝罪もしない、代わりに正しい答えを導き出す雪ノ下らしい返しでした。
由比ヶ浜の攻めの姿勢
これまで八幡は過去のトラウマから踏み込まずにいました。それが、
「違うよ。またないで、……こっちから行くの」255p
ドキッとする言葉でした。これからどうなることやら。