ようこそ実力至上主義の教室へ(よう実)7巻の感想です。
7巻はかなり濃いお話でした。
綾小路の父の登場に加え、龍園が軽井沢に仕掛けます。そして龍園と綾小路の直接対決、と盛りだくさんの話でした。
龍園との対決は意外な方法で決着がつきます。そんなシンプルな方法で決着つくとは。続きが気になりながら夢中で読み進めていました。
7巻読み終わったとき、綾小路がDクラスをAクラスに成長させる必要はなくなったのでは?つまりこの原作自体お話が進まないと思いましたが、まだ続くそうですね。というか続巻がでています。
前巻6巻の感想>>>【よう実6巻】感想・ネタバレあり 堀北覚醒!!
よう実7巻のあらすじ
2学期も終了間近の12月半ば、Dクラスを裏で操る存在Xの特定のため、Cクラス龍園の執拗な調査が開始された。高円寺までもが疑いの対象となり、ターゲットが絞られる中、ついに龍園の魔の手は軽井沢恵に迫り…。そのような状況で清隆は唐突に茶柱先生に呼び止められる。珍しく弱気な表情の茶柱が案内した先にいたのは―「既に退学届は用意させてある。校長とも話がついている。後はおまえがイエスと言えばそれで終わりだ」「あんたの命令が絶対だったのはホワイトルームの中での話だろ。あの部屋はもうない。命令を聞く必要もない」退学を迫る清隆の父親、そして学校の理事長から、秘められた高度育成高等学校のシステムが語られ―!?
感想・ネタバレあり
書き終わって気づきました。かなり長い感想となっています。およそ5000字。よう実は面白いのでそれだけ書くことが多くなってしまいます。
綾小路の父
7巻の大きな出来事である父との再会。
綾小路の父が学園に訪れました。そして綾小路に「退学しろ」と命令します。これまでの話から父との仲が良くない。いやそれ以前に親子だとお互い思っていない風に受け取れました。
そして父の口から綾小路の過去について少しだけ語られました。
綾小路の父の教育
綾小路の父はホワイトルームの責任者、もしくはそれに近い存在。かなりの権力者です。
ホワイトルームは必要なことだけを学ばせ、不必要なことは切り捨てた教育をする場所。世間に顔向けできないようなことも行っているようです。
一言で言えば最強の人間を作り出すところ。
その一人が綾小路だった。そして綾小路はホワイトルームで最も優れた存在だった。その綾小路がこの学園に逃げ込んだから退学させようとしています。
今後の予測される展開
学園の坂柳理事長は綾小路の父と同じくらいの権力を持っています。綾小路の父に動ずることがない。
政府の息がかかった学園に綾小路の父も手荒な真似はできない。学園のルールに則ったうえでの綾小路の退学なら何ら問題はない。
おそらく綾小路の父は何らかの手を打ってくることでしょう。綾小路を学園のルールの上で退学させようと学園の生徒を使ってくることが予想されます。
ホワイトルームと学園の教育方針
7巻ではあまり深くまで触れられていませんでしたが、ホワイトルームと学園の教育方針の違い・対比が今後深く掘り下げられていきそうです。
学園の教育方針もまだ明らかにされていません。
学園は入試を行う前にあらかじめ合格させる生徒は決まっている。そして秘密裏に推薦している。面接や学力テストは見せかけにすぎない。
綾小路はその一人に入っていなかった。が彼の執事の松雄の勧めと理事長の判断により急遽合格となった。
綾小路の学園に来た理由
綾小路がこの学園に来た理由は父から逃れるため。学園は政府の管轄、そして外部との接触も禁止にされているからこの学園にきた。
ホワイトルームを抜け出したのではなく、ホワイトルームに何らかの事件が起こり、綾小路にはおとなしく待機していろという命令があった。綾小路は父の教育方針上切り捨てた「俗世間」というものを求めていた。だから学園に入学した。
これまで綾小路は世間を知らない描写が多かった。カップラーメンを初めて見る、コンビニのアイスコーヒーの作り方が分からなかったり、雪を今まで見たことがないなどという世間を知らない風に書かれていた。
綾小路の探求心が普通の青春生活を求めたのでしょう。
茶柱先生の本性
これまで茶柱先生のイメージは
生徒に興味がない
Dクラスのための行動は一切とらない。そんなスタンスでした。
7巻を読み終わって彼女を一言で言い表すなら、
ツンドラ
ツンデレではない。極寒の地の土の中でいつか芽吹く日をまっている種です。
そう。彼女も堀北と同じようにいつか担当のDクラスをAクラスにする。下剋上のチャンスをうかがっていました。
恵まれたDクラス
堀北を筆頭に平田や櫛田、軽井沢、数に入れるべきなのかは判断がつかないが高円寺、問題児だが運動に関していえば最強に近い須藤とAクラスでもおかしくはない生徒が複数います。
そして極めつけは綾小路清隆。
きっと茶柱先生もこのクラスならAクラスになれるのではないかと思います。しかし一つの問題が……
それが綾小路の事なかれ主義。面倒ごとに手を出さない。
嘘をついた
だから茶柱先生は綾小路に嘘をついた。
「天敵の父親と接触した。お前を退学させようとしている。退学したくなかったらAクラスにあがるように協力しろ」的なことで脅します。
こうでも言わない限り、綾小路という男は動かないからです。
しかし、綾小路の父が学園に訪れたことで嘘だとばれます。
そして綾小路がAクラスにあがるように協力する必要がなくなりました。
龍園との直接対決
そして2学期の修了式の日、龍園は軽井沢恵に仕掛けます。暴力と答えを知る行動をとらせた時点で龍園の負けでした。
Xの存在を知っている軽井沢に吐かせる強硬手段をとります。軽井沢の中学にいじめられていた弱みを握り、ばらされたくなければ屋上にこいと誘います。X(綾小路)にも同様なメールを送り付けた。
綾小路には軽井沢を助ける必要もない。もうDクラスの協力をする必要はないから。
軽井沢はなかなか綾小路のことを吐かない。もう一度いじめの体験を軽井沢にさせます。バケツの水をぶっかけます。
龍園に心を蝕まれ続けるも綾小路のことを吐かない軽井沢。真鍋たちにいじめられたのはXの仕業。Xに裏切られたと言われるもそれでも口を割らない。
綾小路のことを言ってしまえば楽になれる。でも軽井沢にはこれだけは譲れない思いがあった。
7巻で出番があったかどうか分からない堀北なんてどうでもいい。軽井沢をヒロインにしてくれ!という展開でした。
綾小路登場
そこに現れた綾小路。
綾小路が来るのが遅かったので龍園は軽井沢を見捨てたもしくは何らかの策を用意しているのでは?と疑うも綾小路はただ現れただけ。
そして綾小路は階段の下に堀北兄と茶柱先生を待機させています。軽井沢のずぶ濡れの状況を見れば龍園たちCクラスがいじめたのは疑う余地もない。
軽井沢は綾小路のためなら過去を暴露されてもかまわないと。綾小路が学園に報告されれば龍園たちはかなりのピンチに追いやられます。
しかし、綾小路はCクラスがDクラスに邪魔をしなければ報告しない。今回のことは広めないと言います。
これまでの綾小路の行動からしたら、無策。ただ、Xの存在を教えただけ。
龍園は納得しない。そんな小さなやつではない。だから彼の土俵の「暴力」で支配しようとする。ここには龍園含め4人のCクラスのつわものの生徒。
あっけなく決着はつきます。勝ったのは言うまでもありません。綾小路の相手ではありませんでした。
そして龍園は自身との戦いは終わりだと退学を決める。綾小路との勝負に負けたのではなくCクラスの生徒に殴りかかって逆に返り討ちにされたと伏せて。
しかし綾小路は龍園に利用価値を見出していた。
龍園が退学するなら他の石崎と山田アルベルトも退学するという人質をとることで龍園は退学を取り消した。
そして7巻が終わった。
楽しみ方が2種類あるよう実
よう実の楽しみ方としては極端に分けると2通りあると私は思っています。
- 綾小路が裏で活躍
- 綾小路が俺tueeeする
の2つ。どっちも同じなのでは?と思うかもしれません。
全然違います。
読者目線からすれば同じこと。でもキャラからしたら全く違います。
綾小路は平凡な学生だと生徒たちが勘違いしているのが前者、綾小路がすごいやつだと認識した上で活躍するのが後者になります。
前者の方だと、ステルスゲームのように楽しめる。後者の方だと無双ゲームのように楽しめる、よくあるなろうの作品は後者の方にあたりますね。
私としては前者のステルスゲームとして今のところ楽しんでいます。7巻の龍園との直接対決では綾小路が姿を現し決闘する形になりました。姿を現したのは大きな変化だと思います。
綾小路の罠にはまっていた読者の私
この7巻では試験がない珍しい巻でした。代わりにメインとなったのがDクラスを裏で操る謎のXの人物を当てるゲーム。
Cクラスの生徒に疑わしいDクラスの生徒を尾行させる。龍園とその手下がDクラスに直接赴き、高円寺にちょっかいをかける。ただ、それは上手くいきませんでした。高円寺は龍園でさえも手に負えない自由奔放の男。ある意味かっこいいと思いました。
この作戦の目的はXにCクラスに見張られているというプレッシャーをかけること。ただ、プレッシャーなんか気にしない綾小路には意味のなさない作戦でした。
7巻の途中まではXの存在が龍園にばれる=まずいことに思っていました。
しかし、X=綾小路というところが分かったとしても何ら問題はないのです。
あっても綾小路への警戒があるくらい。もともと、Dクラスを裏で操るXには警戒していたなので特に変わることはない。何より、Dクラスに協力する理由がなくなったから目立つこともしない。静かに学園生活を送ればよかった
まんまと綾小路、作者のトリックに引っかかってしまいました。
袋小路は龍園の方だった
つながりのある軽井沢を使ってXの存在を暴こうとしていた龍園。龍園は綾小路が袋小路にちがいないと思っていた。袋小路だったのは龍園の方でした。
袋小路という表現を使った作者のセンスを感じました。
龍園はこの作戦でふたつ考えていた。
- 軽井沢を捨てて綾小路は現れない
- 軽井沢を助けに綾小路は現れる
約束の時間に綾小路はこなかった。そしてしばらくしても誰も来る気配はなかった。だから龍園は1の軽井沢を捨てたのだと思い込んだ。いじめてでもXを吐かせようとした。監視カメラはスプレーで塗りつぶし、証拠はない。須藤の暴力事件と同じ状況。
軽井沢をいじめた事実を作り出したことが綾小路にしてやられた1つ目の点。
それから後に綾小路は現れた。
そこで思うのは軽井沢を助けにきたということ。ここで軽井沢を捨てたという考えは消える。助けにきたと思ってしまうのも無理はない。助けにきたと勘違いしたのが龍園がしてやられた2つ目の点。
しかし綾小路は軽井沢を捨てる気でいた。軽井沢をいじめたという事実は作ってしまった。階段の下に堀北兄がいるという証人も用意してある。監視カメラが壊れた時間の綾小路のアリバイもある。その時間は6巻で結成した綾小路グループと一緒ににいました。途中で抜け出してきたのです。
これまでの綾小路だと一人でいたはず。アリバイは作りようもなかった。綾小路グループはこのためにあったのでしょう。まあ、そんなアリバイを作らずともどこかの監視カメラに映っていればアリバイになるのでしょうけど。
そして、龍園の土俵の暴力に持ち込むためにあえて自分は無策でただここに現れたという綾小路。そして龍園の性格通り暴力で支配しようとする。
綾小路が仕組んでいた3つ目の点。
もう綾小路にやられっぱなし、上手いこと手のひらで転がされていましたね。
そして龍園すらも自分の駒として利用価値を考えた綾小路は退学を取り消しにさせた。まじはんぱない。
今後の展開
綾小路がこれまで暗躍していたの茶柱先生が父親と接触した。協力しないと退学と脅してきたから。
その目的がなくなったから綾小路はただおとなしくしれいればいい。
でも最後に龍園に利用価値を見出した。これは父用の対策なのでしょうか。
学園のルールに則って綾小路を退学にさせようとしてくるはず。ならば駒は多い方がいい。龍園を残したかったのでしょう。
新生徒会長の南雲雅
堀北兄から生徒会長の座を受け継いだ南雲。彼は学園のルールを変えると全校生徒の前で宣言している。彼がどのように関わってくるのもみどころです。
まとめ
まだ書き足りませんが5,000字近くになってしまいました。
やはり面白いラノベというのは自然と書きたいことがたくさんになってしまいます。
とりあえず7巻で龍園との対決は決着がつきました。支配の仕方は色々。龍園は暴力。櫛田は真実という秘密。キャラによってそれぞれ。
綾小路は能力そのもので魅了させクラスの中枢の人物を操り間接的に支配。
7.5巻は冬休みの話。しかもしかも恋愛が多いとのこと。これはかなり期待できそう。
俗世間をもとめて学園にきた綾小路は知ることができるのか?佐藤ともデートの約束をした。堀北は隠れ蓑としているだけで十分です。綾小路のヒロイン候補にいらないので須藤の飼い主として大人しくしていてほしいです。