『劇場版ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?-オリオンの矢-』を見てきました。
内容と感想を忘れないように見て思ったこと・感じたことを書きました。
前半部分はネタバレなしの感想になっています。
感想・レビュー
あんまり……だった
正直に言うと微妙……
物足りなさが残る映画でした。ストーリーも戦闘も音楽も中途半端だったように思えました。上映時間は82分で一般的な映画よりは短め。そのせいかアルテミスとの冒険時間が短く感情移入ができなかった。
もう少し日常パートが欲しかった。
わざわざ映画でする必要があったのか?長めのOVAで良かったのでは?2期やってから映画の方がキャラも多く良かったと思います。
お前ダメ出しばっかじゃん。
もちろん良かったところもありました。
良かった点を挙げるなら兎にも角にもヘスティアがかわいかった。映画でもロリ巨乳。そして紐、紐。表情豊かすぎた。声も良かった。パンツも見られた。最高でした!
逆に言うとヘスティアの描写が多すぎたのでは。あまりに押し出しすぎな印象がありました。
原作とスタイルが異なった
原作は最新巻の14巻まで読んでいますが、原作のここ最近の話がかなりシリアス・暗めだっただけに映画のストーリーが微妙に思えました。ダンまちはハーレムと冒険、この二つがしっかりしている作品。強敵に立ち向かって成長していくベル君。
ただ映画のダンジョン攻略はしょぼかった。(´・ω・`)ショボーン。ダンジョン攻略と言えるものではなかった。
映画となると原作のような冒険系の話にするのは難しいのでまあこんなもんでしょうか。
あとはリューが強すぎた。もう少し試練・激闘があっても良かった気がします。どのキャラも顔に傷がついていなかった。もっとハラハラドキドキしたかった。
最後の戦いもあっさりしていた。SAOのオーディナルスケールのような熱い激闘戦いを期待していた私からすれば期待外れでした。
原作>アニメ
これが原作(ラノベ)ならきっと面白かった。というか大森先生の書き方が非常に好きです。ベル君の心理描写・葛藤が非常にうまく表現されています。あと戦闘シーンも文字だけのはずなのに熱いものがあります。特に14巻なんて最高でした。
14巻読んだあとからしたら申し訳ないですが退屈でした。
ダンまちの感動はファミリア・家族で冒険や苦難を乗り越え成長するところにあると思っているので今回の感動は思っていたのと違っていました。原作厨みたいなことを言って気に障るかもしれません。すいません。
ここからは映画の内容に触れる感想なのでネタバレあります。
ストーリー
いつも通りダンジョンに潜るベルとヴェルフ、リリ。新月祭で槍を抜いた冒険者が旅行に行けるイベントをヘルメスが開催していた。ベルが槍をぬきベル一向はアルテミス様と共にエルソスの遺跡に封印されていたアンタレスの討伐に向かうのであった。
アルテミス
しっかり者で委員長的な性格を予想していたが実はかなりのポンコツだった。ほんとポンコツだった。ヘスティアと並ぶくらいのポンコツぷり。3大処女神の一人でアンチ恋愛主義だったアルテミスはあっさりとベル君に惚れてしまう。どの女の子にも好意を寄せられているベル君うらやましすぎる。
一緒に冒険していたアルテミスは本物のアルテミスではなかった。本物はアンタレスに喰われていた。わずかな力を使って生み出したのが一緒に冒険をしていたアルテミスだった。思念体、残りかすみたいな存在であった。
食事をとらなくてもいいといっていたのはこのため。また天界にいたころと性格が変わっていたのは本体ではなく残りかすだったから。
2週目の入場特典の小説がアルテミスの過去について知れそうなので気になった人はもう一度見に来いというやつですね。
オリオンの矢
ベルが引っこ抜いたのは槍ではなく矢。オリオンとはギリシア神話で登場してくる狩人。この槍は神をも殺す神殺しの矢でもあった。アルテミスがアンタレスに喰われたときに作り出したもの。
アンタレス
古代に封印されていたモンスター。長い年月をかけて力を蓄えていた。アルテミスファミリアが討伐に向かうも全滅。そのときアルテミスは喰われてしまった。そしてアンタレスは神の力をも手に入れてしまった。
アンタレスがアルテミスを取り込んで神の力を手に入れてほぼ無敵の敵になった。世界を滅ぼすほどの威力のアルカナムを発動していたがなぜかあまりピンチだとは思えなかった。
どうしてベルが選ばれたのか?
オリオンの矢はなぜベルを選んだのか?映画では触れられていなかった。ベルが一度アルテミスに尋ねていたがはぐらかされて答えてくれなかった。
ストーリー上、ベルでなければ話が進まないと言えばその通りだが、やはり何らかの意図があったに違いない。そう思いたい。アルテミスがこのオリオンの矢に託したのは自分自身を殺してくれること。映画的に言うと自分を助けてくれる人。
運命がそうしたのでしょう。
感想まとめ
約80分という短い時間のなかでよくまとめた作品だった。が、後半が急ぎ足すぎた。エルソスの遺跡いったらでかいサソリいてその矢で倒せ!で終わりという、ストレートすぎた。最後のアルゴノゥトとオリオンの矢の組み合わせは良かった。
もっと熱いバトルを期待していただけに残念だった。映画で感動ものは尺の都合上難しいんじゃないかな。ダンメモというダンまちのアプリゲーでアルテミスが登場していたらしいが未プレイなので感情移入できなかった。
今後のベル君の恋を空から応援していることでしょう。
あとはフェルズや命、春姫がちらっと登場していました。ダンまち2期が決定されているので2期も楽しみにしています。
2週目の小説を貰いにもう一度観に行こうか悩んでいます。
補足
wikipedidaでギリシア神話(アルテミスとオリオン)について調べてみました。信憑性は欠けるかもしれませんが大体こんな感じです。
オリオンはギリシア神話に登場する狩人です。アルテミスは狩猟と貞潔を司る神。
二人は恋に落ちます。二人の恋をよく思わない神がいました。それがアルテミスの双子の弟のアポロン。ちなみにアポロン・ファミリアは原作の6巻で登場しています。
アポロンはアルテミスとオリオンの仲を引き裂こうとします。アポロンはオリオンに毒サソリを放ち海へと追いやります。そしてアポロンはアルテミスにオリオンを射るように命じます。それがオリオンだとは知らずにアルテミスは打ち抜いてしまいます。
アルテミスは生き返らせようとするも冥府の王ハーデスに反対され、せめて「空にあげてください」と大神ゼウスに頼んだ。
このときの毒サソリがアンタレスです。
とても同意します。どうして82分で納めてしまったのか、設定がガバガバで見終わった後にモヤモヤが残りました。アルテミスファミリアの扱いが雑すぎですね。メモデフで前日譚までやったのに……
コメントありがとうございます。
なんだかスッキリしない終わりでしたよね。オラリオでの都市のパートを減らしアルテミスとの旅にもっと割いてほしかったです。
映画はあれでしたが小説で書き直してほしいですね。
オリオンの矢がベルを選んだのは、魂が最も綺麗な者にその矢を持つ資格があると、作中で誰かが言っていたと思います。
フレイヤがベルを気に入っている理由として「かつて見たことが無いほど透き通った綺麗な魂の色を持つベルを偶然目撃したから」というのが原作設定であるので、それが理由かと。
なるほど。ベルの真っ白で純潔な心がオリオンの矢に選ばれたのですね。
ただオリオンの矢はなぜ魂が最も綺麗なもの(=ベル)を選んだのか引っかかります。そういうものだと思えばいいのですが色々と考えてしまいます。
オリオンは神話だとアルテミスの恋人。
これは恋を知らぬ神が恋を知る物語でもあるので、ダンまち時空のアルテミスは恐らく神話を体験してない状態。
なので、アルテミスの伴侶に相応しき者が選ばれる……のかと。
三大処女神の一柱で狩猟・貞潔を司る女神である事。アルテミスの主武器たる弓から放たれる矢をオリオンの題材にした事。
その二つから考えるに、矢の様に一つの道を突き進む(英雄になりたい願いを抱く)純真な心を持つ者に与えられる────と、考える事も出来ます。
実際藤ノさん(作者)がどう考えてるのかは分からないので、全部推測ですけどね。
神話でのオリオンとアルテミスの関係は知っていましたが、神話体験後と自分の中で解釈していました。そもそも、ダンまち時空の話と現実のギリシア神話をごちゃ混ぜにして捉えていました。
ひろさんの通りアルテミスは神話を体験していない状態ですね。
狩猟(=弓を使う)・貞潔を司る神だから、矢のように真っすぐで一途な心を持つものを選んだ。そういった人に恋をしたかった。ということですね。
イマイチ納得できていませんでしたがひろさんの解説を読んで腑に落ちました。
今回の映画ではアルテミスとベルの恋が悲しい結末で描かれていましたが、小説では再びアルテミスと出会い楽しい恋をする番外編を書いてほしいです。一万年分の恋をするお話が読んでみたいですね。
大変分かり易い説明ありがとうございました。