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青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない 感想・ネタバレ!桜島麻衣の思春期症候群とは?

アニメがあまりに面白く、小説版の方も1~8巻まで購入してしまいました。今期のアニメでトップ3に入る面白さです。

でさっそく小説の方も読んでみました。それについての感想と考察です。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

あらすじ

――ねえ、キスしよっか。そう言って僕をからかってきた彼女は、しばらくして僕の前から消えてしまった。 図書館にバニーガールは棲息していない。その常識を覆し、梓川咲太は野生のバニーガールに出会った。しかも彼女はただのバニーではない。咲太の高校の上級生にして、活動休止中の人気タレント桜島麻衣先輩だったのだ。数日前から彼女の姿が“周囲の人間に見えない”という事象が起こり、図書館でその検証をしていたという。咲太は麻衣に協力する名目で彼女とお近づきになるが――? 海と空に囲まれた町で、僕と彼女の恋にまつわる物語が始まる。

感想

アニメの記憶を消して読みたい

アニメを見る前に読みたかったアニメの記憶を消してもう一回読んでみたい。そう思いました。

小説も非常におもしろい出来でした。作者の前作のさくら荘のペットな彼女を読みましたが、青ブタの方が好きですね。麻衣さんと七里ヶ浜でデート(?)しているときの大学生カップルは伊織と栞奈でした。

起承転結がはっきりしている

1巻の中で起承転結がはっきりしていました

バニーガール姿の麻衣さんに会う、麻衣さんが見えなくなり記憶から消失していく、咲太すらも忘れてしまう、学校で黒歴史確定の告白をする、麻衣さんの存在を認識する、ハッピーエンドへ。

シンプルにまとめられていました。話の中で麻衣さんの魅力・かわいさも自然に織り込ませてきます。

読みやすい

三人称視点でありながら、咲太の思考を書くスタイルです。

すらすらと読めましたくどいような説明文もなく情景描写も必要な時にだけさらっと書く。そして、咲太の心理描写(独白)を多めに書く。そんな地の文でした。

会話もテンポがいいです。短めの言葉で会話が多かったです。

キャラの濃さ

青ブタの一番の魅力はキャラかもしれません。

とりあえず咲太がいいキャラしています。空気を読んでいるのにわざと空気を読まない、絶妙なからかい、変態の発言、周りを気にしない姿勢など癖のある主人公です。

一方の麻衣さんは王道のキャラを抑えています。大多数の人が好きになる属性を持っています。年上でうぶ、下ネタに弱い、強い芯を持っているように見えながら実は弱い心を持っている。あとは弱ツンデレ。

この二人の会話は見ていて飽きません。

 

ただ咲太の言動がいきすぎていて好きになれないかもしれません。

考察

思春期症候群

青ブタでは思春期症候群がテーマになっています。思春期の悩みをただ心情の問題として扱うのではなく、何らかの目に見える形の病として扱っています。麻衣さんは逆に見えなくなる病でしたが。

とても上手い設定です。

しかも、実際の事例を扱っています。

麻衣さんの思春期症候群

麻衣さんの場合はシュレーディンガーの猫でした。あるいは二重スリットでしょうか?観測されて初めて存在が確定するという考えです。

どっちであれ、世界がそこにあるから見えているのではなく、見えているからそこに世界が存在すると考えているにすぎないということでしょう。

そこに周りの空気を読むという現代の風潮も関わってきます

原因

麻衣さんが自分を空気のように演じる、周りの人も高嶺の花すぎて空気のように扱う、この空気が学校の外にも蔓延したため、学校の外で麻衣さんが見えなくなった。

そう結論付けされています。

 

意識して麻衣さんを空気のように扱えば、麻衣さんの存在を意識しています。しかし無自覚に扱うがために、麻衣さんの存在を意識しない。存在を意識しない(麻衣さんが見えない)からそこに存在していないと思う。

 

探し物をしているとき、一回そこを探したのがもう一度探したらそこに探していたものがあったという経験もそれと同じでしょう。探し物はそこにずっと存在していたが、存在を認識できなく見えていないからそこには無いと思っていたが、もう一度探すことで見つけることができた。

いつも見ていた場所がふと意識を向けたら、そこにそんな物があったと驚くそれと一緒でしょう。

 

思春期症候群の解決法

麻衣さんが思春期症候群を解決できたのは咲太が学校の前で告白をしたからです。

今までの学校の空気は「麻衣さんを無自覚に空気として扱う」ものでした。麻衣さんを無視することで観測されず存在しなくなりました(記憶から消失)。梓川の愛がこの空気を上回れば解決できる。と双葉は結論付けていました。

まさにその通りでした。

しかし、これだけだと咲太という他者からの手助けによって解決しています。本人自身も変わる必要があります。

では麻衣さんはどのように変わったのか?

芸能界復帰

もともと芸能界には戻りたいと思っていた麻衣さんでしたが、踏み出せずにいました。そこで出会ったのが咲太です。咲太の言葉によって、芸能界復帰を決意しました。

今まで空気のように振舞っていた麻衣さんが芸能界に復帰することを決意したのも思春期症候群の解決の要因になったのでしょう。

 

タイトルについて

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」のタイトルを見て思いました。

青春ブタ野郎は咲太についてバニーガール先輩は麻衣さんのこと。ここまでは分かります。

では夢を見ないとは一体どういう意味なのか?

推測できる考察は二つです。

  1. 思春期症候群が現実で起こっている
  2. ループしている

思春期症候群が現実で起こっている

思春期症候群の現象は現実では到底ありえない出来事です。麻衣さんが見えなくなるってありえるのでしょうか?妹のかえでちゃんがSNSでいじめられただけで体に傷ができるわけがありえません。

普通ならば、おかしな夢を見たのねと信じてくれません。咲太が出会う思春期症候群が夢のなかでの話ではなくて現実で実際に起こっているという意味になります

ループしている

まず、ループがなぜ出てきたのか?

牧之原翔子の存在です。牧之原さんは確かに存在していたが、高校に入学して探してみたがいなかった。牧之原さんが高校を偽っていた可能性もありますが、それは低そうです。

牧之原さんが高校に在学している世界線から、高校に在学していない世界線になったため高校には牧之原さんがいなかった。そう考えることができます。

最近よくあるタイムリープの可能性が浮上します。思春期症候群なら起こってもおかしくないです。

関係ないですが、タイトルを見ただけでは購入者からした分からないのでそこをどうにかしてほしいです。

咲太の傷

咲太の胸の傷はいまも思春期症候群にかかっている表れだと私は思っています。どうしてかえでの思春期症候群の影響が咲太に出たのか?そこが謎です。

咲太だけが図書館でバニーガール姿の麻衣さんに気づけたのが咲太が思春期症候群と何らかの関わりがあるからかもしれません。

ただの主人公補正だったらすいません。

 

青ブタは小説でもさらに楽しめます。アニメではなかった女の子とのヒロインの会話もあります。

 

次の巻の感想→青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない 感想・考察!古賀朋絵の思春期症候群とは?!

 

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