青ブタシリーズ8巻となる『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』の感想です。花楓ちゃんがメインの話でした。7巻までが1部、そしておでかけシスターから新展開らしいですけど最後の1ページでやっと話が進みました。それまでは7巻と8巻の間の7.5巻のような短編集みたいな話でした。
読んでいて色々考えることもあったお話。かえでがいなくなり花楓として頑張る話でした。麻衣さんとのイチャイチャもあって面白かった。何より読みやすい。
いつものごとくネタバレあるので注意してください。
7巻の感想>>>青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ないネタバレあり・感想 これ以上ないラノベ!!
青ブタ8巻の感想・ネタバレあり
冒頭(アバン)は謎の夢から始まります。
またも夢を見た咲太。七里ヶ浜の海岸でランドセルを背負った麻衣さん。
あっ、高校生の姿の麻衣さんではないです。小学生の麻衣さんの姿で。もちろんランドセルを背負った高校生の麻衣さんも見てみたい気持ちは少なからずともあります。
そして目を覚ました咲太。
そこからは麻衣さんとイチャイチャしているだけのバカップルの話。小指だけつなぐとか、初々しすぎる。
そしてこれまでのヒロインたちとのありふれた日常の話。双葉がいつもの実験室で咲太をばかにしたり、バイト先で朋絵の尻についてからかったり、のどか(どかちゃん)ちゃんが姉の麻衣さんにくっついてばかりだったりと楽しそうな日常を送っています。
麻衣さんは隠れてセンター試験を受けていたようです。しかも830点という9割越え。センター試験がなくなるらしいですけど受けた人なら麻衣さんのすごさが分かるはず。しかも芸能界のお仕事をしながらなのでさらにすごい。
先に大学に合格して一年間休学すると言う。咲太に逃げ道をなくし同じキャンパスライフを送りたいと考えている麻衣さん。こんな彼女がいたらきっと大学受験も死に物狂いでしていただろうと昔を懐かしみますね。
これまでの7巻までに咲太が作ってきた、当たり前の幸せの日常があってよかったです。
花楓としての進路
8巻の話の中心は花楓としての進路でした。
楓はもう中学3年生。もうすぐ受験の時期。JKとなる日も近づいてきます。JK姿の花楓ちゃんを早く拝みたいですね。
ふつうならば普通科の高校をみんな選びます。私も何も考えず普通の高校を選びました。
不登校の期間が長かった・人に見られるのが怖い花楓にとって普通の高校に通うのは難しいと、スクールカウンターの友部美和子に言われる。学校に行かずスクリーン授業を受ける通信制の学校をすすめられる。
当の本人は峰ヶ原高校に行きたいと言う。咲太が通っている高校である。
ふつうの妹ものラノベならブラコンで兄と同じ学校に通いたいという理由だが、青ブタは違います。
花楓が咲太と同じ学校に行きたいのは「兄の咲太と同じ学校に行くこと」がかえでの夢だったから。
かえでを思い出す悲しいシーンでした。「かえで、お兄ちゃんと同じ学校いきたい」と言っていたことでしょう。
かえでになろうとする花楓
今の花楓が麻衣さん、のどか、そして学校に行けるようにまでなったのはかえでが頑張ったから。花楓の自分は何もしていない。自分ももっと頑張らないと
と、自分を責める花楓。周りが求めているのはかえでなんだと。
咲太たちがそんなことはないと言うだけで解決する簡単な問題でもないです。難しい問題です。
ここでキーとなる人物がスイートバレットの広川卯月。のどかにお願いして彼女と話をする時間を設けてもらった。彼女は普通の高校に通っていたが、アイドルの忙しさや彼女の空気を読まない性格上、いつしか不登校になる。高校はやめ通信制の高校に通い始めた。
花楓の心にきたのがこのセリフだと思います。
「卯月の幸せはみんなに決めてもらうんじゃなくて、卯月が決めるんだよ」
「卯月さんは、その……前の学校に通っていた自分と、今の学校に通っている自分、どっちが好きですか?」
「どっちも同じだけ好きだよ。だって、前の私がいたから、今の私がいるんだし」
279p,282p
花楓の幸せは周りやかえでが決めるのではない。自分自身で決めること。そして今の花楓がいられるのはかえでがいたから。
兄の咲太も「どっちも同じくらいに思っている」と言ってくれる。ここで花楓の方が大事とは言わないところが咲太らしいです。
花楓は自分の行きたい通信制の学校の見学会に行きたいと咲太に話す。
一応峰ヶ原高校も受験していた。しかし同じ中学の生徒を見て体調を崩してしまう。途中で保健室に行ってしまった。不合格だと思っていたが定員割れでなんと花楓は合格していた。
その理由が倍率が2倍以上あったため出願校を変える受験生が多かったからである。
なんじゃねんその理由wと思いました。都合良すぎる。
SNSを使わない友達も少ない花楓だからそんな情報も知らなかった。みんなに合わせる花楓ではないから倍率が2倍でもそのまま受験していた。
みんなと花楓の違いが描写されていました。そしてある意味、もう一つの選択を与えることができた。
不合格ならば通信制の高校に通うという選択しか残らない。
でも合格したことでかえでの夢の峰ヶ原高校と花楓が行きたい通信制の高校二つの選択が生まれた。
そして花楓は通信制の高校に行きたいと言った。花楓として進む瞬間だったと思います。
私としては咲太と一緒に高校に通う花楓も見たかったので少し残念です。
翔子ちゃん登場
7巻では大人翔子さんとの出会いを夢として見た咲太だった。でも8巻の翔子ちゃんとの会話では海岸での出会いで咲太、麻衣さんは翔子さんとの出来事を思い出したと言っています。
いや、全部忘れてた。思い出したのは、僕と同じで、あの初詣に行った日の帰り……七里ヶ浜の海岸で牧之原さんに会ったときだってさ。310P
7巻では翔子ちゃんのことを覚えているのか明確に書かれていませんでした。この会話から麻衣さんが咲太をかばって死ぬ世界のことをこの世界の咲太と麻衣さんを覚えている。別の世界での記憶をも保持していると考えられます。
一方のは翔子ちゃんは未来の翔子さんが体験したことは全部覚えていると言っていました。
これは未来の咲太が現在の咲太といっしょになったときに未来のことも覚えていたのと同じようです。
暖かいという理由で沖縄に引っ越すという翔子ちゃん。でも夏は暑すぎませんか?
そして物語が進んだ最後のページ。
卒業式の日、冒頭で見た小学生姿の麻衣さんを現実で見るのであった。
感想まとめ
花楓としての進路を決める姿がかっこかわいいかった。そして麻衣さんとこれまで通りにイチャイチャしていて読んでいて楽しかった。
キスの先はいつするのでしょうか?麻衣さんの家にはのどか、咲太の家には花楓がいるので当分お預けになりそうです。
その前に麻衣さんが小学生にもどってしまったのをどうにかしないといけません。これまでの青ブタの話からすると別の世界の麻衣さんの可能性がありです。9巻の『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』も楽しみです。
続きとなる9巻の感想>>>青ブタ9巻 感想・ネタバレ『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』