青春ブタ野郎シリーズの3巻にあたる青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ないについてのネタバレと感想です。
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目次
内容(ネタバレあり)
前の2巻で中学生姿の牧之原翔子と出会いました。
1章不思議が不思議を読んできた
妹のかえでを助けることができなかった咲太は謎の三本傷が胸に刻まれ、病院に運ばれた。入院中に病院から抜け出し、七里ヶ浜海岸で当時高校生の牧之原翔子に出会った夢をみた。夢といっても昔の出来事である。
牧之原翔子は咲太の家で一時的に買っている拾った猫に会うために毎日咲太の家に遊びに来ていた。とりあえず、どうして牧之原が中学生になったのかを双葉に相談しようとする。
双葉に言われ、書店に向かった咲太。髪を後ろでまとめ、コンタクトのいつもとは違う双葉の姿がそこにあった。今のところ実害がないということで牧之原については保留となった。
バイトをしている咲太のもとに愛しの麻衣が訪れる。予定よりも一日早く仕事から帰ってきた麻衣。
麻衣との帰り道髪を下ろし、眼鏡をかけているいつもの双葉に遭遇する。ネカフェに入っていった双葉を二人は追いかける。双葉を探すために麻衣さんの携帯電話で電話をかけたのが信じられないことが起きた。双葉と電話をしているはずなのに、目の前には手ぶらな双葉の姿が。
わたしが二人いる。と告白した双葉。
ネカフェで寝泊まりは問題があるとのことで咲太の家に泊まることに。もちろん女性が咲太の家で泊まるのを麻衣が許すわけもなく麻衣も咲太の家に泊まることに。
双葉が二人いるのは量子テレポーテーションのせい、別々の記憶を保持するのは双葉の意識がなんらかの理由でふたつある存在していると説明する双葉。
2章青春はパラドックス
二年前の牧之原翔子との会話の夢をみた咲太。
かえでと麻衣、双葉のメンツで朝食をとる4人。すこししたら、牧之原がやってきた。今日はなすの(飼っている猫)をお風呂に入れていた。何も起きるはずもなく、シャワーが牧之原を濡らした。咲太が濡れた牧之原の服を脱がそうとしているのを麻衣に見られ怒られた。
もう一人の双葉に会いに学校に行った咲太。双葉は思いを寄せる国見を見るために体育館に足を運んでいた。双葉と少し話をした。もう一人の双葉も今の現状を同じように把握し、国見が好きになった理由も話した。パン販売で圧倒されていた双葉にチョココロネをくれたのが国見だった。
麻衣に公衆電話で電話をかけ帰ろうしたら、国見の彼女の上里沙希と遭遇する。上里は双葉が裏垢でエロい写真を撮ってアップしていると咲太に教えてくれた。
JK事情を知るためにアナウンサーの南条文香に相談をした。孤独感を満たすためにそんなことをする、しかし自分がこんなことをしていていいのかと不安にもなる、そして誰かに必要とされていると実感し、何度も繰り返す。負のスパイラルが生まれると説明した。
家に帰った咲太に悲しいお知らせが、スキャンダルを避けるために二人で会うのをやめることに。麻衣との帰り際、ネズミの鳴き声の行為をした。
双葉の家庭について聞いた。どうしてそういった行為(過激な写真を撮る)のかも聞いた。父親は医者で母親はアパレルショップを経営する社長。誰かに構って欲しくてやった。双葉のコンプレックスは自分の容姿であった。誰かから反応されるだけでうれしかった。しかし、それと同時に自分のしていることに嫌悪感を抱いた。
ストレスが溜まっていき、誰かに構ってほしい双葉と自分が許せない双葉に分離した。
3章友情は時速40キロメートル
翌日の8月4日、牧之原から電話がかかる。要件はしばらく咲太の家に行くことができないとのこと。
もう一人の双葉と電車で一緒になった。嫌いな自分を傷つけるという行為が自分の写真を撮ることであった。嫌いな自分を退治することで一瞬でもすっきりした気分を求めていた。
いつもの物理実験室。テレビではサンドアート大会の様子をリポートしていた。ここでさくら荘のペットな彼女の三鷹仁と上井草美咲が登場した。
なんとなく双葉と一緒にいる日が続きある日の帰り道、裏アカウントに学校にチクられたくなければ会おうなどという、脅迫な返信が届く。怖がる双葉は咲太に一緒にいて欲しいと頼む。
深夜に関わらず国見に電話をかけた咲太。急いで駆けつけてくれた国見を見てひとりではなかったと涙する双葉の姿がそこにはあった。砂浜で三人で花火をし、来週の花火大会に行こうと約束をした。ばかで最低なことをできる友達だった。もう一人の双葉も助け始めた。
4章大雨の夜にすべてを流して
早朝に出かけてから双葉が帰ってこなかった。まずは双葉の家に行き、次に学校に向かった。一年の時の教室に双葉がいた。
自分は不必要だと言う双葉に対して「花火大会にこい」と咲太は言った。しかし、その後突然咲太は倒れた。
目を覚ますとそこは異世界だった、なわけなく救急車の中だった。脱水症状になって倒れた。心配で駆け付けた麻衣さんがいた。
病院で牧之原翔子に出会った。実は、翔子は移植手術を受けれないと中学卒業までには難しいほどの心臓の病気を持っていた。
咲太は双葉に前向きな生き方ではなく「ま、こんなものだろ」という諦める生き方を教えた。双葉はもう一人の自分に「私も一緒に花火行きたい」と伝えた。
双葉は一人となった。
終章花火の後に残るのは夏の思い出
三人で約束通り花火大会に行く。
双葉は国見に何かをささやいた。
始業式、麻衣さんが学校に来なかった。気になった咲太が麻衣さんの家に訪れて目にしたものは……
＜終わり＞
細かく内容書きすぎました。本題の感想です。
感想
双葉理央の思春期症候群
3巻目の主役は国見に恋をする双葉でした。
双葉の思春期症候群は量子テレポーテーションがテーマでした。あとはドッペルゲンガーも？双葉の意識が二つに分離して、双葉が二人になりました。
「誰かに構って欲しい双葉」と「構って欲しくてしている行為が嫌いな双葉」の二人です。
双葉の思春期症候群の原因
双葉の思春期症候群の原因は何だったのか？
一言でいえば孤独感。他にもいくつか原因があります。
双葉の家庭環境は特殊です。父親が医者で母親がアパマンショップの社長。両親がいない日が半分くらいの中で生活してきました。しかも、両親は利害のために結婚をしています。
幼少期の頃からそんな生活を送っていたのではないでしょうか？
誰にも構ってもらえない孤独感。しかも自分のいいスタイルへの男子からの視線のせいで自分のことが嫌いになります。そんな自分が嫌いでしてきたことが卑しい自分の写真を撮ること。
しかし、そんなことをする自分に嫌悪感を抱いていました。
高校に入ってからは国見と咲太という友達ができた。しかし、国見には彼女がおり咲太にも超美人な彼女ができます。二人がいなくなってまた孤独感を味わうかもしれない恐怖を感じ始めます。
ちょうど夏休みが始まり、咲太にも国見にも会えずにいました。そこでしたのがいやらしい写真をアップする行為。これまではアップするまでにはいきませんでした。アップする自分が嫌い・そして男性に見られているという嫌悪感というストレスが溜まり、思春期症候群を引き起こしました。
かまってほしい双葉とそんな自分が嫌いな双葉の誕生です。
双葉の思春期症候群の解決
一人になるのが嫌という双葉のために咲太は用もなく学校に行くようになりました。咲太と国見がいなくなるの怖いという双葉が求めているのは友情でした。
深夜にもかかわらず国見が全力で駆けつけてくれる、そして咲太と国見の三人でバカなことをしている、友情が心を満たします。3章のタイトルが友情は時速40キロメートルというのに、感動を覚えたのは私だけでしょうか？
これだけではまだ半分しか解決していません。
もう一人の「自分が嫌いな双葉」もどうにかしないといけません。
またもやここに関わってきたのが咲太です。自分が嫌いな人に対して通常なら、少しずつ好きになればいいといった、前向きの言葉をかけます。しかし、一度自分も経験したことがある咲太だから、「まあ、こんなもんだろう」という半分諦めかけることで自分を認めればいいと声をかけます。
こうして二人の双葉が一人になりました。
牧之原翔子とは？
3巻でも牧之原翔子が度々出てきました。非常に謎の多い存在です。
しかし、この巻で一つ分かったことがあります。
牧之原(高校生)「わたしも好きじゃないです。『ありがとう』と『がんばったね』と『大好き』がわたしの好きな言葉」
咲太「ある人が言ってたよ。『ありがとう』と『がんばったね』と『大好き』が三大好きな言葉だってさ」
牧之原の言葉は咲太が中学生の時に言われたものです。咲太が言ったのは高校生の咲太が中学生の翔子に言った言葉です。時系列はぐちゃぐちゃですが、どちらもその言葉で助け、助けられる関係です。
たまたまなわけがないです。何か関係があると思います。
咲太の胸の傷
咲太の胸の傷は妹のかえでを守れなかった罪悪感からできた傷ではないでしょうか。かえでを守ることができなかったから、他の思春期症候群の少女たちを罪滅ぼしのつもりで助けている。
あと気になるのが3本の傷です。3という数字になにか深いわけはあるのか？いやなさそうですね。
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