青春ブタ野郎シリーズの5巻、『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』を読みました。
予想を裏切る話でした。ここまでアニメで放送されるのでしょうか?
最後に麻衣さんと翔子さんがああなるとは……な終わりでした。非常に続きが気になりました。
前の4巻の感想→青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない ネタバレ・感想 豊浜のどかの思春期症候群とは?
かなりネタバレあるのでそこは注意してください。
青ブタ おるすばん妹の内容(ネタバレあり)
翔子さんから海岸で会いましょうという手紙をもらった咲太。
翔子さんに会いにいこうとするも、昔のかえでの友達鹿野琴美が咲太を探し会いに来た。結局翔子さんに会うことはなかった。
かえでが立てた今年の目標を達成するために、まずは麻衣さんからの電話に出ることができたかえで。
しかし極度のストレスから熱を出して倒れてしまう。そして腕には痣が。
翔子さんとの夢を見た咲太。自分が正しいのにみんなが間違ったことと否定してくる世界に理不尽さを感じていた。翔子さんの言葉に助けられた咲太。
少しずつできることを重ねていくかえで。ひとりでは無理だが、外にも出れるようになった。海にも出かけた。
そこで琴美に出会うが誰だか覚えていなかった。かえでは解離性障害でかつての自分(花楓)の記憶を失っていた。
琴美が花楓から借りていた本をかえでに返した。そこに一枚の手紙が挟まっていた。その手紙を読んだかえでは突然意識を失ってしまった。
かえでは原因不明のまま目を覚まさない。
朝、かえでが目を覚ました。花楓ではなくかえでだった。退院したかえでが口にしたのは学校に行きたい。そしてかえでの学校に行こう作戦が始まった。
しかし、同じ中学生の子たちを見るとそこからは足を踏み出すことができなかった。
そこで咲太はかえでを動物園に誘った。パンダやたくさんの動物を見て帰りには買い物もできた。そして夜の学校に忍び込んだ。これでかえでの目標は達成できた。
翌朝、かえでは花楓になっていた。病院に検査を受けにいくが、咲太は二年前と同じように胸に傷が。そして翔子さんと再び出会う。
かえでが2年間ずっと書き留めてきた日記を読んだ。かえでは咲太が後悔せず楽しい思い出でいっぱいになるように目標を立てて頑張っていた。
咲太はかえでが作ってくれた楽しい思い出と悲しい気持ちを受け止めて生きていく。
翔子さんは咲太の家に居候していた。そしてそこにロケから帰ってきた麻衣さんが。修羅場が待っていた……
青春ブタ野郎 おるすばん妹 感想
青ブタ5巻は咲太の妹のかえでちゃんがメインです。
前半部分の頑張るかえでちゃん
今の自分のままでは嫌だと思うかえでちゃんは今年の目標を立てました。
咲太以外の電話をとる、パンダを見に行く、海に行く、そして学校に行くという目標など……。
読んでいるときは頑張るかえでちゃんかわいい、がんばれと温かい目で見ていましたが、読み終わり振り返って感想を書いていると辛いです。
なぜ今年の目標か? それはかえでとしての時間があとわずがだと知っていたのでしょう。咲太がもう一度後悔しないように楽しい思い出を作ってあげたい、その兄を思う気持ちからたくさんの目標を作りました。
胸が締め付けられる気持ちです。
少しずつ練習し、できるという経験を積んでいくかえでちゃんの頑張る姿には感動しました。
かえでの解離性障害
かえでが解離性障害だと明らかにされました。解離性障害とは多重人格のことです。最近読んだ『三角の距離は限りないゼロ』1巻 感想・考察!でも二重人格について扱っていました。
自分を守るために生み出した人格がかえででした。かえでとひらがなであったのは元の花楓とは別の人格だったからです。
麻衣さんのことをかえでが知らなかったのは二重人格だったから。ちょうど麻衣さんの芸能活動がおわったころにかえでが生まれたのです。テレビを見ないという咲太の嘘にまんまと引っかかっていました。そういう伏線があったのですね。
咲太の優しさ
周りが咲太をおかしな目で見ようともかえでの味方であろうとする咲太の優しさ、まっすぐな信念、他のヒロインたちが心を寄せるのも分かります。
かえでではなく花楓が戻ってくるのを周りは望んでいるのに、かえでという名前を与えてあげる咲太。咲太も妹が別人となって辛いはずなのに、かえでを受け入れている咲太。いつもはでたらめなことばかり言ってふざけているけどいざという時は頼りになる男、惚れてしまいますね。
花楓とかえで
パンダを見に動物園にいきそしてプリンを自分で買うことができたかえでちゃん。少しずつ成長が見られていきます。
そして夜の学校にも行くことができました。次は昼の学校に行くことを目標にしてかえでが立てた今年の目標を達成しました。
しかし、順調にいっていると思われたもの花楓の人格になりました。かえでとしての役目が終わったのです。
かえでの役割
かえでの役割は花楓のために学校に行けるようにしてあげる、そして咲太にもう一度辛い思いをさせないことです。
いじめがきっかけで学校に行けなくなった花楓のために学校に行けるようにしてあげるかえでとしての役割。少しずつ外にいけるようになり、夜の学校にも行きました。そして最後に残ったのが昼の学校にいくこと。かえでは最後の学校に行く目標は花楓に達成してほしかったのでしょう。
そして咲太に楽しい思い出をいっぱい与えてあげる役割。いじめられていた花楓に自分は何もしてあげられなくて後悔した咲太がもう一度後悔しないために、目標を立てて思い出にしていく。
悲しいこともかえでが与えてくれたもの。咲太はこれまで辛い思いをしてきた。けど我慢してきました。今までせき止めてくれたものが無くなり一気に流れ落ちました。
翔子さんと麻衣さんの修羅場
最後に青ブタの二大ヒロインでもある翔子さんと麻衣が対面します。これまでは中学生翔子ちゃんにしか会っていないので余裕だった麻衣さん。しかし大人翔子さんの登場でどうなる??
中学生牧之原ではなく大人の翔子さんが登場しました。かえでが花楓に戻って何もできなかったと後悔していた咲太を救いました。
そしてなぜか咲太の家に泊まっていました。まあ、そうなるでしょう。麻衣さんが帰ってきて咲太の奪い合いが始まりそうです。
後半の部分は急ぎ足だった感じもしますが、構成が良かったです。こんな展開になるとは予想もしていませんでした。かえでが学校に行けるようになる話かと思っていました。
誰かが死んで涙ちょうだいという話は私は嫌いです。死んだことに悲しみや同情を求めていいるだけな気がしてしまうからです。でも、その死が主人公や他のキャラに何かを与えてくれる話は好きです。ただ暗い気持ちになるのではなく頑張ろうという明るい気持ちも一緒に与えてくれます。
かえでちゃんもきっと咲太に様々な思い出を作ってくれたことでしょう。
ただ、花楓の思春期症候群はこれで解決したのか?と言われると分かりません。とても続きが気になる終わりですね。
続きの6巻についての感想・ネタバレありです。
青ブタ 6巻 感想・ネタバレあり『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢をみない』