青春ブタ野郎シリーズの7巻にあたる青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ないを読みました。
ほんとよかった。の一言に尽きます。
麻衣、咲太、そして翔子三人が助かる方法なんてあるのか?? どう頑張っても3人ハッピーエンドは無理だろうと思って読み始めましたが、なるほど。これ以上ない最高の終わり方でした。
6巻の感想→青ブタ 6巻 感想『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢をみない』
ここからはネタバレを含む感想なので7巻まで読んでいない人は気をつけてください。
青ブタ ハツコイ少女の感想
麻衣さんの○
最初は前の巻に引き続き辛い話でした。麻衣さんが死んだ現実というトゲが心をズタボロにしていきます。読んでいるのが辛いです。麻衣さんが死んだまま話がずっと進んでいたら鬱になっていた。。。
ああ、麻衣さんはいないんだ……
しかも金沢ロケの動画を流すシーンなんて辛すぎた。この世にはもういないのに映像として麻衣さんを見ることができる。
麻衣さんの咲太にべたぼれのところなんて……思い出すだけで涙が……ほんとひどい演出です。
そして咲太は今まで麻衣さんの死という現実から逃避してきました。徐々に悲しみが心を痛めていきます。
もう、麻衣さんは戻ってこないのか……
かすかな希望
しかし、ここで大人翔子さんが登場。咲太が生きているなら心臓は移植されず翔子が大人まで生きているはずもありません。つまり誰か他の人の心臓が移植されている。
そして
麻衣さんの心臓があると言う翔子さん。
ちょっとばかしその可能性を考えていましたが、そうきましたか。咲太の代わりに麻衣さんの心臓が移植されたことで大人翔子さんがまだいました。
でも一つおかしな点が。
翔子ちゃんに心臓が移植されたならば翔子ちゃんの思春期症候群は治っているはずです。つまり大人翔子さんが存在することはありえません。
そうなんです、今の咲太は未来の咲太です。まだ現在の咲太は交通事故に遭っていません。だから、大人翔子さんがいたのです。
今の咲太は未来の咲太です。咲太も思春期症候群になっていました。麻衣と翔子どちらを選択しようか悩んでいた時に発症。12月24日18時が永遠に来なければいいと願った咲太が翔子と同じように相対的に速くなった世界で未来に到達したのです。
そして大好きな人を幸せにするために現在に行く咲太。
81pの咲太のほほをつねる翔子さんの描写から麻衣さんの面影がありました。
麻衣さんを助けにいく咲太
しかし、麻衣さんを助けそして自分も生き残れば翔子はおそらく死んでしまう。でも、一度大好きな人の死を経験した咲太だから麻衣さんを助ける選択をしました。どっちかしか助けることが出来ない。そんな現実を突き付けられました。
ハッピーエンドは簡単におとずれないのか……
そして現在の世界へ行った未来の咲太。
しかし、未来の咲太の姿は認知されません。現在の咲太と未来の咲太の二人存在しているからです。量子力学的だと確率的に存在します。観測されるまではこの時間軸に存在していることになりません。だれが咲太の箱を開けてくれるのか?まあきっとあの子でしょう。
目立つようにとここでうさぎのぬいぐるみを着る咲太。しかも律儀に頭まで持っていく咲太。邪魔でしょうと思っていました。
1巻のバニーガール姿を思いだす、しかもぬいぐるみがシュレディンガーの猫の箱にたとえるというすばらしい表現。
そして麻衣さんがバニーガール姿をしていた気持ちにも気づくというぬいぐるみの役割が多すぎる。
その姿のままぴょんぴょんジャンプしている咲太を想像するとおかしいです。状況的にはかなり深刻ですが。
そして咲太の箱を開けてくれた古賀!!
やっぱお前だったか。持つべきものは尻を蹴りあったかわいい後輩。量子もつれのおかげで古賀がこの時間軸に未来の咲太を確定してくれました。
未来の咲太は現在の咲太に電話をします。ここも双葉のときを思い出しました。お互いに直接会うことは不可能だが、不確定要素のある電話ならば会話ができる。
麻衣さんが犠牲にあった、翔子をあきらめろと説得する未来の咲太。しかし、現在の咲太は納得しません。このときの咲太は麻衣さんが犠牲になるなら、自分が犠牲になろうと考えていた。
麻衣さんも説得しないといけません。現在の咲太が交通事故現場に向かい、そして麻衣さんがかばって犠牲になる。だから、麻衣さんのもとに向かう咲太。
咲太はぼろぼろになって帰ってきた自分を抱きしめてくださいと麻衣さんにお願いします。
「いってらっしゃい、咲太」
「いってきます、麻衣さん」
そして事故現場に向かいます。
どう助けるのか?と思っていたらうさぎの頭部をかぶります。現在の咲太はぬいぐるみの中に咲太がいるとは分からない状況。これなら、咲太が二人存在しない。咲太だと認識されない。ここまでぬいぐるみが役に立つとは!?
そしてぬいぐるみをきた未来の咲太が現在の咲太を押し飛ばし助けます。12月24日18時がきたので咲太の思春期症候群は治り咲太は一つになります。
ここまでの展開に感動を覚えました。
でも、麻衣さんと咲太は生きているが、翔子は助からない。簡単に全員が助かる結末はこないとあきらめていました。現実はこうなんだと受け止めるしかありません。
「ただいま、麻衣さん」
「おかえりなさい、咲太」
家で待っていたのは麻衣さん。家で帰りを待っているだけでこれほど感動したことはないです。
当たり前の日々
そして麻衣さんとの当たり前の日々が始まります。翔子ちゃんのお見舞いにいくと将来のスケジュールに変化が。これについて全く分かっていないまま読んできましたが、この時点でもなんのことやら。
翔子の母から翔子に会って欲しいと頼まれます。咲太は双葉に相談をします。
今の翔子は未来の翔子である。将来のスケジュールを書いているのは当時の4年生の翔子だと。
当時4年生だった翔子も思春期症候群を発症してました。全く思ってもいませんでした。そう言われると、将来のスケジュールの筆跡は後から書いたようには見えないと6巻で説明がありました。
未来の翔子は自分の未来ではなく、咲太の未来を変えるために過去にいきました。咲太が翔子に会うことがなければ咲太が辛い選択をせずに済むからです。やっぱりヒロインは翔子です。
そして日常の場面へ。翔子に出会うことがなければ咲太は峰ヶ原に入学せず麻衣さんや朋絵などと出会うこともなかったと心配していましたが、そんなことなかったようで安心しました。
これまで通りの日々を過ごしていました。麻衣さん演じる心臓病の少女の映画がヒットし心臓移植のドナーが広がり翔子も無事移植手術でき助かります。
そして、最後の海辺でのシーン。翔子ちゃんを見て翔子ちゃんとのことを思い出します。
翔子が楽しそうに笑っている挿絵を見て
良かった、翔子ちゃん。
麻衣、咲太、翔子全員が助かるハッピーエンドでした。途中までは現実は甘くないから全員が助かるエンドはこないとあきらめていましたが、ちゃんと全員が幸せになる結末でした。
フィクションだから、ご都合主義だからと言えばそうですが、どの人物も悩んで泣いて、思いをぶちまけてきたからこその最高の終わり方だと思います。
これまでで一番のラノベです。
牧之原翔子さんの正体、世界線等についての考察記事を書きました。
次の巻>>>青ブタ8巻 感想・ネタバレ『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』