青ブタ

【青ブタ】牧之原翔子の正体・世界線についての解説・考察

7巻の感想(青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ないネタバレあり・感想 これ以上ないラノベ!!)の続きです。

今回は牧之原翔子という正体・世界線等についての考察です。

 

世界線の考察の前に中学生牧之原翔子と高校生牧之原翔子の思春期症候群・謎についての解説です。

牧之原翔子の正体

分かり易いように簡易な図を書いてみました。雑な絵で申し訳ありませんm(__)m

まずカギとなる牧之原翔子は3人います。

  1. 現在の小学4年生の牧之原翔子
  2. 未来の中学生牧之原翔子
  3. 未来の大人牧之原翔子(高校生でもあった)

 

2と3の未来の牧之原翔子は、現在の翔子が大人になりたくない(病気で長く生きることができないから)と願ったためにウラシマ効果(特殊相対性理論)により時間が速く進んだ未来の翔子です。

ウラシマ効果の説明

2人の観察者がいるとき、互いの相対的な速度差により、または重力場に対して異なる状態にあることによって、2人が測定した経過時間に差が出る(時間の進み方が異なる)
wikipedia参照

現在の翔子ちゃん(大人になりたい翔子)から見れば未来の翔子ちゃん(大人になりたくない翔子)が見ている世界の方が速く進んだ。速度の速い方が時間は遅くなるため。

難しいですが翔子ちゃんに起こったことを簡単に説明すると、大人になりたくないと願った翔子ちゃんが未来の世界を観測したということ。

 

楽しみ・待ち遠しい予定はすぐにこないけれども、嫌な予定はすぐにその日になる感じかもしれません。

 

1巻からの話は2の未来の中学生翔子での世界を咲太が観測していた話になります。逆に言えばこれまでの話は現在の翔子の未来の世界の話です。これはかなり大事なことです。

咲太の胸の傷

咲太の胸の傷はこの世に1つしかないはずの心臓が2つあるために生じる傷です。

牧之原翔子は重い心臓病を患っています。中学生までしか生きてられないと言われています。なのに3の大人翔子さんがどうして存在しているのか・できるのか?高校生になる前に死ぬはず。

これは大人翔子さんの心臓病は咲太の心臓を移植したことで完治したから

 

大人翔子さんの心臓には咲太の心臓があります。

過去に戻ることはできないですが、未来から現在に行くことはできます。

 

中学生翔子さんの未来の大人翔子さんが咲太が観測している世界に行くと

まだ移植されていない咲太の心臓と未来で移植された大人翔子さんにある咲太の心臓、この1つしかないはずの心臓が2つあるがために咲太の胸には傷ができます。

 

通常はみみずばれ程度で出血はしていませんが、大人翔子さんが目の前に現れるときに大出血して病院に運ばれています。

タイミングは以下の2回

  1. かえでが解離性同一性障害、思春期症候群になったとき(咲太中学3年)
  2. かえでがかつての花楓に戻ったとき

どちらも咲太が自分を見失っているときに助けにくる形で登場しています。

 

大人翔子さんの目的

大人翔子さんはどうして咲太の前に現れるのか?

それは大好きな咲太に幸せになってもらいたかったから(交通事故を防ぎ心臓移植させない)。自分の命よりも咲太の命を選択しました。

 

咲太が交通事故に遭う日、デートの誘いをして咲太が交通事故の現場に向かわないように仕向けますが咲太に気づかれてしまいます。そして咲太をかばった麻衣さんが犠牲になります。

ここでの関係の図はこんな感じになります。先ほどの画像よりは頑張りました。ただ翔子さんの顔が誰?翔子さんってあんまり特徴のない顔しているんですよね。

7巻の途中で登場した翔子さんは2の中学生翔子さんの麻衣さんが死んだ世界での大人翔子さんです。

だから咲太の胸の傷は無くなっています。

 

咲太も自分の命か翔子ちゃんの命どちらかを選ぶときに思春期症候群を発症しています。運命のとき(交通事故に遭うとき)が来てほしくないと願ったために未来の世界を観測しています。

 

未来の咲太が現在の咲太の世界に行き咲太と麻衣の死を防ぎます。つまり翔子ちゃんが死ぬ(正確には心臓移植されず近いうちに死ぬ)世界になります。

 

ただ、現在の咲太が観測している世界は未来の翔子ちゃんの世界です。未来の咲太が現在にいき世界を変えたように翔子ちゃんも現在の翔子ちゃん(1の小学生翔子ちゃん)の世界に戻り、咲太と出会わない世界を選びます

未来の中学生の翔子(翔子と咲太と出会う世界)の時点からはどうやっても3人が生き残る選択肢はなかった。だから未来の中学生の翔子は現在の翔子の世界に戻る咲太と出会わないようにしたのでしょう。

 

そして7巻の終わりのようになります。

翔子さんの思春期症候群はこのような感じになります。

 

ここからは考察です。

世界線考察

  • 三大好きな言葉
  • 咲太の観測している世界

この2つについて考察していきます。ただよく分からないこと・理解できていないことばかりです。

三大好きな言葉

3巻329pで入院中の翔子ちゃんに咲太が話していました。

咲太→翔子

ある人が言ってたよ。「ありがとう」と「がんばったね」と「大好き」が三大好きな言葉だってさ

一方やさぐれていた中学生の咲太に七里ヶ浜海で高校生の翔子さんが教えていた。

翔子さん→咲太

わたしも好きじゃないです。「ありがとう」と「がんばったね」と「大好き」が私の好きな言葉。三大好きな言葉です。

青ブタは咲太視点で書かれているので

1.中学生の咲太に高校生の翔子さんが三大好きな言葉を教えた
2.高校生の咲太が中学生の翔子ちゃんに教えた

という順序が時系列的に正しいはずです。

ただこの順序だとおかしな点があります。考えれば考えるほどこんがらかってきます。最初のスタートはどこなのか?中学生咲太に教えた翔子さんはどこでそれを知ったのか?上手く言葉で表せませんが、モヤモヤします。

まさに卵が先か鶏が先かと同じジレンマに陥ります。

仮に咲太に教えてくれた高校生の翔子さんが別の世界の翔子さんだとしてもじゃあその翔子さんは誰から聞いたのか?無限にループしてしまいます。サービスエリアの名前を使った自己紹介や峰ヶ原高校に進学しようとした動機も同様です。

わざとこのようにしたのではと思っています。深く考えないのが良いのではと。無から宇宙がどうやって生まれたのかと似たようなものです。

咲太の観測している世界

最後の結末に関わってくる咲太の観測している世界について。

まず明らかになっているのは次の2点です。

  1. 翔子と七里ヶ浜で出会い咲太と麻衣さんは記憶を取り戻した(7巻より)
  2. 翔子は未来の翔子の記憶をすべて受け継いでいる(8巻より)

最後の結末の解釈の仕方は次の3通り

  1. 翔子と出会わなかった世界を観測するように
  2. 翔子の心臓移植成功世界線に移動した
  3. 現在の翔子の世界でこれまでと同じようにやり直した

心臓移植成功世界線とは咲太も麻衣も死亡せずドナーによって翔子ちゃんが生存するルートです。

夢の解釈

その前に青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ないとタイトルにも使われているについて考えてみます。

青春ブタ野郎は咲太のことです。バニーガール先輩、ロジカルウィッチなどは思春期症候群のヒロインたち。じゃあ夢を見ないとは一体なんなのか?

青ブタにおいての夢はかなり重要なキーワードとなっています。

青ブタでの夢は他の誰かの未来での出来事と考えられます。

7巻で未来の咲太が体験した

  • 麻衣さんが交通事故に遭う
  • 理央が家に咲太を泊めた

の出来事を現在の咲太の世界にいるのどかや理央は夢として見ています。このことから未来の世界の体験を夢として観測することができるといえます。

常識的にはありえない未来予知ですが常識を逸脱した夢の世界なら観測することができるといった感じでしょう。未来の咲太が現在の咲太の世界を観測したのと同じようなものです。

 

そして高校生翔子さんとの出会いがこれまで夢として書かれていました。

3巻の102p、5巻の108p、6巻の261pの高校生の翔子との出会いはすべて夢として咲太は観測しています。別の世界の咲太の体験を共有しているとも考えられます。

アニメも高校生翔子との出会いはあえて色を抑えた表現になっていました。

7巻の終わり

以上のことを踏まえてもういちど7巻の終わりについて。

翔子ちゃんが死んでしまう世界を咲太は観測していた→未来の翔子が現在に戻り咲太と出会わないようにする→過去が改変される→翔子が心臓移植された世界を観測するように世界が構築され直された。

このときにこれまでの翔子さんとの出会いは矛盾が生まれないように夢という扱いになった(本当の出来事だが夢として錯覚している)。そして七里ヶ浜で翔子と出会ったときに翔子ちゃんがトリガーとなって夢が現実だったと認識した。

1の翔子と出会わなかった世界を観測するように説が濃厚です。

 

290pで中学生翔子ちゃんは咲太のことを咲太君と呼んでいます。これまでは咲太さんと呼んでいました。12月24日咲太の交通事故を回避できたから大人翔子さんと中学生翔子ちゃんは一体化した。

 

  1. 翔子と出会わなかった世界を観測するように
  2. 翔子の心臓移植成功世界線に移動した
  3. 現在の翔子の世界でこれまでと同じようにやり直した

1も2もどちらも同じようなことですが1の方が可能性としてあります。

2の翔子の心臓移植成功世界線に移動しただと咲太だけではなく麻衣さんも翔子のことを思い出したのは矛盾が生まれます。麻衣さんも移動したことになります。

3はなんだかこれまでの出来事が無駄に思えるのであってほしくないです。

夢を見ないというのは別の世界の咲太が体験した出来事ではない。今この世界で生きている咲太が体験した本物。だと考えれば、やはり1が一番ピッタリな気がします。

 

 

1であれば翔子との出会いは辻褄を合わすために夢として記憶を保持。

再び出会ったときに翔子をキーとして本当の出来事だったのだと思い出したならありえます。

 

この終わりについて完璧に解釈するのは不可能だと思っています。

 

一番大事なのは咲太や麻衣さんその他のキャラが翔子ちゃんのことで悩み苦しんだ。だから翔子ちゃんが過去に戻って咲太と出会わないようにしてもぼんやりと翔子ちゃんのことを覚えていた。咲太が募金をずっと続けてきた、憧れの峰ヶ原高校に入学した。麻衣さんも心臓移植の映画の主演した。

6巻と7巻の咲太たちの頑張りは無駄ではなかった。

 

なにより翔子ちゃんの笑顔が見れてほんとによかった。それだけです。

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